蟻虫とカラットゾンビ

懐かしの所有物で振り返る断捨離前の悪あがき

ミドリ電化 1973年折込チラシ

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昭和レトロイラストが素晴らしい

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'73 秋のご結婚展

 

保存状態が残念な感じなのですが、1973年当時に折り込まれたであろう「ミドリ電化」のチラシです。実はこのチラシ、随分前に母親が茶碗等のワレモノを包んでいたのを私がたまたま水屋(いわゆる食器棚)で発見し、既に業界で仕事をしていた私が、こ、これは貴重だ!と慌てて保管していたモノなんです…。

それでは先ず、表面の4色刷り(カラー)の方から見て行きましょう。

「開店6周年」を記念して作られたチラシみたいですね。やや左側上部に配置された手描きのイラストが、実に可愛らしくて良い味を出しています。この独特の雰囲気は、中々今時のデジタルでは出せないのではないでしょうか。

紹介されている商品は、その多くが昔懐かしい家具調テレビです。価格帯は10万円前後のものが多いのですが、調べてみたところ当時の大卒の初任給が62,300円ですから、やはりまだまだ庶民には手の届きにくい高価な商品だったのではないでしょうか。そのせいか商品によっては、ローンの支払い例が記載されたりしています。

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大きそうに見える画面サイズは18インチ

8万円以上のカラーテレビを購入した人には、渋めの湯呑のセットが、また先着100名様には開店記念として素敵なプレゼントが用意されていたみたいです。そのプレゼントが何だったのか少々気になるところですが、今となっては知る由もありません。

続いて裏面を見て行きましょう。

裏面は、緑色と赤色の2色刷りですね。この手法はチラシを制作する際に、少しでも安く上げるための常套手段です。

左上に「’73 秋のご結婚展」と記載されています。実は、冒頭の「1973年当時に折り込まれたであろう」いうのは、この表記で判断した次第です。

「ご予約セール」と銘打って冷蔵庫をはじめ、洗濯機、テレビ、掃除機など新生活に必要なものが7点セットになって売られています。そのお値段、350,900円。恐らく、お得なセットだとは思うのですが、先の大卒の初任給を考えてみると中々のお値段なのは想像に難くありません。

 

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サンヨー全自動洗濯機「びわ湖」 ネーミングが渋すぎます

 

商品の方に目をやると「花柄の電子炊飯ジャー」が何とも懐かしいです。そういえば実家にありましたねえ。「電子レンジ」なんてものは、そもそも実家にはありませんでしたが、掃除機は確かにこんな形状が多かった様な…。

 

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この頃の家電は「花柄」が多いイメージ

 

そんな中、気になる商品が。右下の一番左側にある「カシオ〔ミニ〕」です。12,500円と、中々高価なのですが、コレって計算機なのでしょうか。発売当初の計算機は確か、ウン十万円もした筈なのですが、1973年当時も1万円を越す程高価だったのでしょうか。

 

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12,500円の計算機?

 

気になったので、商品名の横に記載されている型番「CM-602型」で調べて見ると……出ました出ました。やはり計算機だったみたいです。1972年に発売された「低価格ポケット電卓」だそうです。この価格でも低価格なんですね。計算機なんて今や100均で購入出来る現在、隔世の感が否めません。

 

www.dentaku-museum.com

 


たまたま見付けたチラシを保管すること数十年。当時は存在しなかった「インターネット」というツールを使用する事によって、漸く遠き昔の日本を、ほんの少しだけ垣間見る事が出来た様な気がした次第でした。