蟻虫とカラットゾンビ

懐かしの所有物で振り返る断捨離前の悪あがき

月刊コロコロコミック 1981年3月号

とにかく分厚さが印象的

出典:小学館

現在の様にインターネットも普及しておらず、当時限られたお小遣いでやりくりする小学生の自分にとって、この「月刊コロコロコミック」は毎月必ず購入する漫画雑誌でした。

何しろ330円で(子どもにとってはそれでも高価ですが)、トータル600ページ超えの漫画の数々が読める訳ですから、コストパフォーマンスはすこぶる良かったと思います。

創刊は1977年5月。現在でも刊行されている長寿漫画雑誌です。紙面を小さくする事によって本体の厚さを確保し、手にとった時のサイズ感がコロコロしているため「コロコロコミック」と名付けられました。

さて表紙に目をやると、そうそうたる作品のラインナップが確認出来ます。言わずと知れたご存知「ドラえもん」をはじめ「怪物くん」「オバケのQ太郎」「ゲームセンターあらし」「とどろけ!一番」「あさりちゃん」「名たんていカゲマン」等など、今見ても本当に名作揃いで、改めて驚かされました。

 

豪華賞品が目白押し!

出典:小学館

表紙をめくってみると「春の特別サービス企画」と称して、何と合計10,000名に当たるプレゼントが用意されていました。

まあ「怪物くん回転メダル」と「コミック手帳」でかなり当選人数を稼いではいますが、コレはコレでちょっと欲しいですね。

賞品に目をやると、初期の「ゲーム&ウォッチ」が懐かし過ぎます。そして、この辺りから任天堂の快進撃が始まったと言っても過言ではないので、中々貴重なラインナップではないでしょうか。各ゲームタイトルもシンプルで格好良いですね。

その他には「怪物くんTシャツ」「ドラ・ドラミバッジ」「怪物くんバッジセット」などなど藤子不二雄ワールド全開です。そして何より凄いのは、各キャラクターの造形の高さ。今見ても全く色褪せていないのは本当に素晴らしいです。当時から既に、完成されたキャラクターデザインだった訳ですね。

 

貴重な集合写真

出典:小学館

来月号の企画と「コロコロでかつやくのみなさん」と紹介されているように、連載中の漫画家の集合写真が掲載されています。

それにしても、来月号は豪華プレゼントが目白押しですね。通し番号入りの「愛読者感謝状」に「あらしドファイトステッカー」「ドラえもんと怪物くんのサイン入り色紙ボード」といった感じで、何とも太っ腹な企画です。また両サイドには、これでもかと言わんばかりに藤子不二雄氏が生み出したキャラクターで固められおり、当時の藤子マンガの勢いを象徴したかのようなレイアウトになっています。

一方、集合写真の方ですが、これは中々貴重な一枚ではないでしょうか。中央辺りに藤子不二雄氏のお二方、向かってその右側には赤塚不二夫氏の姿が確認出来ます。流石に皆お若いですね。その他の方々は残念ながらちょっと分からないのですが、この集合写真に写っているということは、おいそれとはなることすら出来ない「漫画家」という職業において「コロコロコミック」という超一流の漫画雑誌で連載されていたという紛れもない事実であり、これは驚嘆に値するのではないかと思うのです。

 

豪華執筆陣の数々

出典:小学館

諸般の事情により、いきなり最終ページのご紹介となります。

当時は「ドラえもん」「怪物くん」「オバケのQ太郎」「パーマン」といった藤子不二雄氏の作品をはじめ、「ゲームセンターあらし」「釣りバカ大将」「とどろけ!一番」「あさりちゃん」「名たんていカゲマン」等など、個人的にも非常に懐かしい作品が連載されていました。

そんな中「あさりちゃん」は、確かかなりの長期連載だと記憶していたので、調べてみたところ、何と全100巻!足かけ36年もの長期に渡って連載されているではありませんか。この「全100巻」は、てんとう虫コミックスでは最長の発巻数との事。それにしても、月刊誌で100巻は凄すぎますね。

そんな「あさりちゃん」ですが、アニメ版も放映されており、軽快なOPとは打って変わって、何とも切なく哀しい雰囲気のEDが印象的でした。

 

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ハヤイ! ヤスイ! 某牛丼チェーン店を彷彿とさせるキャッチコピー

出典:小学館

さて、古い雑誌をながめる際に興味深いのが、所謂「表1~4」のカラーページの広告です。このページ程、当時の世相や時代背景を反映しているページはないのでは?と思います。

今回のソレは、どうやら切手販売のようです。この時代は、確かによく見かけた気がします。しかしながらよくよく読んでみると、ディズニーの切手が3種貰えるのは良いのですが、ハガキを投函すると無条件で「ステキな切手」がランダムで10セット届くとの事。その中から欲しいものだけを購入するという何とも変わった営業スタイル。更には、届いたら5日以内に代金と残りの切手(購入しない切手)を返さなければいけないという中々の慌ただしさ。更に更に、返す際には返信用の封筒に切手を貼って、送料として70円切手も同封しなければならないという……もう、文字を打っていて何が何だかわからなくなってしまいました。

以上を踏まえて一番賢い購入方法は……
ハガキを投函してディズニーの切手3種をゲット。
何も購入せずに送り返す(切手代70円✕2枚=140円)
ディズニーの切手を一枚約46.6円(140円÷3枚)で購入できました♪
という事になるのでしょうか。
それでも「何だかな~」という気持ちで一杯になります。

一番の正解は「購入しない」かもしれません。

 

よく読むと説明文が結構紛らわしい

出典:小学館

 

「これは、とくするハガキです」の一文が怪し過ぎ

出典:小学館

 

子どもの頃「いちご味」の歯磨き粉を食べたことある人、挙手願います♪

出典:小学館

さて、1981年3月号のコロコロコミック最後を飾るのは「Lパック」の広告です。さすがに表4だけあって、見事に当時の時代が反映されています。

それにしても、ありましたねえ「Lパック」。CMで「旅のおともにLパック」なんてコピーがあったと記憶しているのですが、果たして。今でもこのタイプの商品は発売されているみたいですから、中々息が長いです。

商品に目をやると左から「園児用」「低学年用」「高学年用」と、3つのタイプが用意されています。パッケージのイラストも段々と大人っぽくなっているところが興味深いですね。因みに真ん中のイラストは、懐かしの「ニルスのふしぎな旅」より主人公の「ニルス」です。妖精にいたずらをしたため小さくされ、雁の群れと共に冒険を繰り広げる物語でした。

右側の中央やや下にある「ライオン」の初代ロゴも時代を感じさせてくれます。社内公募で1980年に誕生したこのロゴには「暮らしをみつめる」というコピーが添えられていました。個人的に記憶に残っているのは「おはようからおやすみまで〜」でしょうか。「一日」の表現を「おはようからおやすみまで」という言葉で表現する辺り、素晴らしいですね。

という訳で、1981年3月号のコロコロコミックを足早に紹介させて頂きました。子どもの頃お小遣いを握りしめて通った個人経営の小さな本屋さん。町で唯一の本屋さんといっても過言ではないその店の軒先には、様々な書籍が所狭しと立て掛けられていました。帰宅して何度も何度も読み返した漫画本は、当時の貴重な情報収集元の一つだったと思います。今やネットで気軽に漫画が読める時代になってしまいましたが、当時の一つ一つに時間を要するアナログ的な経験を体験出来たことは、ある意味非常に恵まれていたのではないかと思うのです。

廃墟探訪(大分県竹田市)2015.9.13訪問

 

 

某所に唐突に到着

随分昔に訪れた、大分県竹田(たけた)市にある廃墟を訪れた際の画像が見つかりましたので、ご紹介したいと思います。

この時の愛車はYAMAHAのトリッカーでした。小さくて軽くて非常に乗りやすいバイクでしたが、軽量故かタンクが小さく、ロングツーリングはちょいと厳しかったですね。(出来ない事はありません♪)因みにこの廃墟探訪は、そこそこロングでしたので結構疲れました。

またスポークタイヤのため、チューブタイヤだったというのもネックでした。せめて後輪だけでもチューブレスタイヤだとツーリング中の安心感がかなり違っていたと思います。正直セローが羨ましかったですね。まあ、結局のところ、トリッカーでパンクは経験しませんでしたが。後はやはり絶対的なパワー不足感も否めませんでした。

そんなトリッカーのインプレッションにも触れたところで、廃墟探訪のはじまりはじまり…。

 

細い道の先に待ち構えるのは…

この道の先に数軒の廃墟が存在します。実は今回で三度目の訪問となります。モノ好きにも程がありますね。ここは、場所的にはそこまで難しくないのですが、気を付けて走らないと見落とす可能性が大です。

ん?画面向かって左の方に、雑草に覆われた案内板らしきモノが見えます。

 

草が絡む案内板

鹿毛川(ししげがわ)と読むらしいです。そういえば、来る途中に小さな川が流れていました。

落ち葉が凄い

道を覆い尽くさんばかりの落ち葉が広がっています。自動車で進むには、かなり道幅が厳しいと思います。

 

奥の方に第一民家発見

道を進んで行くと、奥の方に大きな民家が見えて来ました。鬱蒼と茂った木々が時の流れを感じさせてくれます。頼りないセメント製の舗装道路に不安は募るばかりです。

 

生い茂る雑草

更に進むと、右側の方に二軒程の民家が見えて来ました。写真ではわかりにくいのですが、奥の方にまだまだ道は続いているようです。取り急ぎ、先に進んでみる事にします。

 

屋根の上まで雑草が

手前の石垣には、これでもかと言わんばかりに雑草が生い茂り、屋根はご覧の有様です。この家屋が自然に還るのも、そう遠い未来ではないようです。

 

倒れている?雑草

何か違和感を感じてふと振り返ると、人為的?に倒された雑草が確認出来ました。何故に?それにしても、こんな所で人に出会うのは御免被りたいですね。

 

人名らしきものが

更に進むと割と立派な門構えがありました。門の正面には白い大理石のようなものが埋め込まれており、文字が刻まれています。

 

拡大したところ

う〜ん。読めそうで読めないですね。「下田美丸」でしょうか。それにしても表札がそのままとは、一体何があったのでしょうか。

 

奥に見えるのは…

気を取り直して先に進みます。右奥に見える小屋らしき建物が最後の建造物となります。因みにまだ陽は高いのに、この暗〜い感じ。少々ビビって来ました。

 

門柱から分かる様に割と立派な民家

左に見えるのは先程の門柱です。それにしても、右側に見えるすすけたアルミサッシの窓が怖いですね。流石に室内を撮影する勇気はありませんでした。ほら、住居不法侵入になりますし…。

 

味わい深い階段

奥に見える一見洋風の家屋は、1階が倉庫になっているようで、階段を進むと住居へと繋がるみたいです。その大きさから、かなり立派なお宅だったのが伺えます。

 

小さな川

建物の向かいには道を挟んで小さな川が流れていました。この雰囲気は、そこまで悪くないんですけどね。

 

更に奥に進むと…

左側に見えるのは、先程ご紹介した川ですね。というか、用水路的な感じでしょうか。行けるところまで、行ってみましょう。

 

足元悪し

更に奥へと進めそうですが、道の状況は「岩」「草」「土」で覆われており、余りよろしくありません。ワタクシのヘッポコ運転技術では危険が危ないのでやめておく事にします。

 

振り返れば…

今進んで来た道を振り返るとこんな感じです。こちら側から見ると、先程の小屋らしき建物も、間違いなく腐敗が進んでいますね。それでは来た道を戻る事にしましょう。

 

ん?

ええ〜っと、倉庫の扉って開いていましたっけ?

 

窓に…

何て冗談はさておき(わかりにくいですが、12枚目の写真で扉が開いているのが確認できます)ここの扉も開いていますね。今、このタイミングで中から人が出てきたら、腰を抜かす事間違い無しです。それにしても気になるのは、左側にあるアルミサッシ製の窓の部分なのですが」…。

 

拡大してみました

只の光の反射か汚れだとは思うのですが、コレでは良くわかりませんね。

 

明るくしてみました

気になる箇所を赤丸で囲んでみました。こ、これはシミに見える顔…否、顔に見えるシミですね。そういう事にしておきましょう。ほら、点が3つあると顔に見えると言いますし。

それにしても一番右側の囲みは、漫画家つのだじろう氏の傑作、主人公鬼形礼の悲哀を描いた「恐怖新聞」に出てくる霊に見えない事もないですね。

ん?

ちょっと、待ってください…。

 

 

さらに拡大してみました 

丸の部分が上から「目」「鼻の穴」「口」に見えます。しかも「目」と「鼻の穴」は左右対称になっているのが確認できます…。これは一体…。

 

木造の玄関らしき場所

気を取り直して、来た道を戻ります。玄関らしき部分を少しズームして撮影してみました。その造りからして、やはり結構年代モノっぽいですね。私にもう少しの勇気があれば、玄関内の撮影をする事が出来たと思うのですが…。

 

やりすぎトーンカーブ

滅茶苦茶明るくしてみたら、玄関奥にある扉らしきものが確認出来ました。いかにも日本家屋風ではあります。

 

生い茂る雑草

道だけみると、のどかで良い感じなんですけどねえ。

と言いますか、集落から抜け出た途端、明るい雰囲気になって来ているのは気のせいでしょうか。否、きっと日差しの影響でしょう。

 

奥の方に…

木の茂みの奥に、何やら人工的な石の建造物が確認できます。お墓でしょうか?今回は時間が無いので探索は出来ませんでした。

 

一面が雑草に

振り返ってみたところです。この奥に数件の廃墟があるとは、ちょっと想像がつきませんね。

 

結構立派な建物

白壁が印象的な、1軒目の廃墟まで戻って来ました。改めて見てみると1階が倉庫、2階は住居となっているようで、その佇まいは中々立派です。

果たして、一体いつ頃までこの家屋は使われていたのでしょうか。かなり古そうな建物には間違いなさそうですが。

 

背丈以上に伸びる竹

雑草はもちろんの事、竹も生い茂っていました。探訪から7年以上が経過していますが、今現在はどのようになっているのでしょうか。少々気になります。

 

フラットな舗装林道

この雑草の生え方からすると、最早この林道は草で覆い隠されているかもしれませんね。

 

無事帰還

そんな訳で、無事に戻って来ました。(ホッとひと安心)奥に見える「ホタルの里」の看板と「石橋」が良い味を出しています。それにしても、シンプソンのヘルメットが懐かしいなあ。価格と品質が見事に反比例した逸品でした。まあ、カッコイイから良いんですけどね。

 

味のあるバス停

近くには大野竹田バスのバス停がありました。停留所名は「大師堂前」。何とも渋いですね。それにしてもその下にぶら下がっている小さな看板らしき文字が気になります。赤文字で「白山紅嵐渓」と彫られていますが、その書体は地味に怖いですし。因みに「白山紅嵐渓」を検索してみたのですが、ヒットしませんでした。これは一体…。

 

驚愕の本数

ちょっと分かりにくいのですが、バスの本数が平日も土日も、1日に2〜4本程しかありません。田舎のバスあるあるです。夏場はまだしも、冬場なんかに乗り遅れたら死活問題になりかねませんね。

 

巣箱?

さて、長々と続けて参りました「廃墟探訪(大分県竹田市)2015.9.13訪問」もいよいよ最後の一枚となりました。

恐らくは野鳥用の巣箱だとは思うのですが、何とものんびりとした一枚ではあります。流石に野鳥の姿を確認することは出来ませんでしたが、果たして今でも使われているのかどうか…。

たまたま脇道を逸れた際に、発見した廃墟群。どういった経緯で廃墟と化していったのか、今となっては知る由もありませんが、そう遠くない昔に各々の家族があの場所で暮らしていたという事実は間違いありません。各家庭からは時折笑い声なんかも聞こえて来たことでしょう。隣家との距離から察するに、隣近所との付き合いも当然あった事だと思います。

それにしても人が住まなくなる事によって、家屋が朽ち果てていく様をまざまざと見せられた気がします。自然、恐るべしです。

アドビ イラストレーター 5.5J

アドビ イラストレーター 5.5J パンフレット出典:アドビシステムズ株式会社

今なお、世界標準のドローイングソフトとして君臨し続けているのが、アドビシステムズ株式会社の「イラストレータ」通称「イラレ」です。このパンフレットはVer.5.5となります。2022年現在のVer.が27.0となっていますので(えっ!そんなに!)こりゃ、かなり古いですね。

表紙を飾るのはイラレの代名詞とも言える、ボッティチェッリの「ヴィーナスの誕生」です。イラレの起動画面といえば、個人的にこのイメージが強く印象に残っており、デザインを変えながらしばらくの間、使用されました。

それにしてもこの頃は、今と違ってパッケージ版が売られていましたね。発売は1994年。私が業界に足を踏み入れた頃になります。当時アナログ寄りの学校だったためか、ほとんどMacを扱うこと無く入社。それはそれは大変な思いをしました。しかしながらソフトの操作方法を覚えるには、この切羽詰まった状態が経験上一番身に付くのではないかと思います。

 

アドビイラストレータ5.5J パンフレット

出典:アドビシステムズ株式会社

様々なイラストレータの機能が紹介されています。簡易的な各ウィンドウのデザインが、時代を感じさせてくれます。

上から順に「フォントの検索」「タブ設定」「ペイントスタイルパレット」「レイヤーパレット」等の説明がされています。これらの機能は現行のイラストレータでも、もちろん使用可能ですし、左上に見えるツールパレットも増えはしたものの、減ったものはなさそうですね。これらの事を踏まえると、既にこの時点でイラストレータの完成度は非常に高かった事がわかります。

それにしても今更ながら「ペイントスタイル」の設定は凄すぎますね。正に天才的発想です。良くぞ、色を塗るべき箇所を「塗り」と「線」に分けたものです。一見何でも無さそうですが、恐らくこれが出来る事で制作における利便性は多いに向上したのではないかと思われます。

 

アドビ イラストレーター 5.5J パンフレット

出典:アドビシステムズ株式会社

スッキリとしたレイアウト上に開発元である「Adobe Systems社」や「イラストレータ」の紹介がされています。

Adobe Systems社」の年商が当時で597億、2022年現在は「CC商法」が功を奏してか、10倍の5917億の売上を計上しているみたいです。会社としては笑いが止まらないでしょうが、ユーザーにとっては永遠に使用料を払わなければいけない訳で、何とも困った仕様です。

さて「イラストレータ」の機能には、様々なモノが用意されているのですが、最も難しく且つ取っつきにくいツールと言えばやはり「ペンツール」ではないでしょうか。レイアウト上部に掲載されている猿のイラストも、恐らく「ペンツール」で描かれているとは思うのですが、多くの人々が「ペンツール」の独自の仕様に、先ずはお手上げ状態になる事間違い無しです。

随分前に知り合いと「イラレ」の話になった際に、唐突に「ペンツールって、使う必要ないよね。」みたいな事を言われた時は驚きました。この発言は実に「ペンツール」の操作性の難解さを物語っています。まあ「イラストレータ」の使用用途にも依るのでしょうが「使えないよりは使えた方が良いのでは。」みたいな事を言ってお茶を濁した記憶があります。

先述の猿のイラストも一見難しそうですが、順を追って行けば時間は掛かるかもしれませんが、きっと描けると思います。正に「ペンツールを制するものはイラレを制するんです」と、言うのはちょっと言い過ぎですかね。

 

イラレパンフの誤字脱字

出典:アドビシステムズ株式会社

ところで今回、このパンフレットをご紹介するにあたって、よくよく本文を見直してみると……ん?!!誤字脱字のオンパレードではありませんか。更には、字間が怪しいところや右端が揃っていない、変な空白などなど。折角なので集めてみましたよ♪

既に印刷物として世に出回った訳ですから、規模は違えど同業他社の私としては震えが止まりません。校正はどうしたの?検版は?果たして大丈夫だったのでしょうか。否、大丈夫じゃ無いと思います…。

それにしても酷いのは片仮名の「ン」ですね。ことごとく最初の「てん」の部分が欠落しています。これは誤字というよりは、システム的な問題だったのかもしれませんね。

 

アドビイラストレータ5.5J パンフレット

出典:アドビシステムズ株式会社

Adobe illustrator 5.5Jは、精密なイラスト作成機能と高度なページデザイン機能をひとつのパッケージで実現」とありますが、正にその通り。しかもベクターデータですから、拡大縮小も何のその。この辺りは拡大すれば莫大な容量を喰ってしまう「フォトショップ」とは大きな違いです。

またこのソフトは、本来はペラ物のデザインや、ロゴマークロゴタイプ、イラストレーションの制作に一番適しているとは思うのですが、ソフトの快適性故か、現在でも割と多めのページ物の制作に利用している方もいらっしゃるようです。確かに慣れれば、使い勝手は抜群に良いですからね。

紙面では、様々な機能が紹介されていますが、今となっては当たり前と思える機能も、この時代はかなり先進的だったのではないでしょうか。

それにしても、前回も少し触れましたが「強力な文字処理機能」を謳っている割には、相も変わらず「ン」が大変な事になっていますね…。

 

アドビイラストレータ5.5J パンフレット

出典:アドビシステムズ株式会社

付属のプラグインフィルタで、個人的に使うのはパスファインダフィルタの「合体」や「型抜き」「分割」あたりでしょうか。多用はしないものの、ここぞと言う時はやはり便利です。また「トラップ」なんてのも本当は使用する事で「版ズレ」が防げるのでしょうが、チラシ等の制作で使う事はありません。

それにしてもプラグインフィルタで忘れてはいけないのが「KPTフィルタ」です。知る人ぞ知る「Kai’s Power Tools」です。ボタン一つで立体的な文字等が作成できたので簡単便利。その出来上がりの善し悪しは置いといて、当時業界内で流行りましたっけ。KPTを使用したチラシで溢れかえっていた時期もあった位です。

 

アドビイラストレータ5.5J パンフレット

出典:アドビシステムズ株式会社

「デラックスCD-ROM」の中には、懐かしの「Adobe Dimensions 2.0J」も入っているようです。当時の使用感としてはそこそこ便利でしたが、余り無茶な事は出来なかった様な記憶があります。「Adobe Dimensions」は、その後しばしの沈黙を破って2017年にCC版が発売されています。

その他には「Photoshop」や「Premiere」、そして今はなき「PageMaker」のデモ版等がCD-ROMに同梱されていたみたいです。

さて、イラストレータ5.5Jの気になる希望小売り価格は…120,000円也。果たしてこの金額は高かったのか安かったのか。一度購入してしまえば、パッケージ版として永久に手元に置いておける訳ですが、それでは企業側が儲かりません。当然の如くより良い製品と称して(勿論それは間違ってはいないのですが)バージョンアップを求めて来ます。それ故に、ユーザー側は例え高価なパッケージ版を購入したとしても、安泰という訳ではないのです。それは今現在、デザインの現場イラストレータ5.5Jを使っている人が世の中にどれ位いるのか、考えてみれば分かりやすいかもしれません。DTPデザインを行う上で、結局のところアドビ社の名目上いつでも最新版が使えるという「CC商法」に乗っかるしか方法が無いのかもしれません。まあ私はフリーランスではないので、そこまで弊害は被って無いのですが。

それにしてもこの先、バージョンは何処まで進んで行くのでしょうか。まだまだ「Adobe illustrator」の時代は続くのかもしれませんね。

パフォーマ(Macintosh Performa)

出典:アップルコンピュータ株式会社

 

パフォーマ(Macintosh Performa)は、当時のApple Computerより1992年から1997まで発売されたモニターと本体が一つになった一体型パソコン(セパレートタイプもあり)です。それまで高価で、中々手の出せなかったMacintoshシリーズの中において、比較的安価で手に入れる事が出来るパソコンとして登場しました。

また、多くのソフトが最初からバンドルされており(懐かしの「クラリスワークス」などなど)主にパソコン初心者から中級者までのユーザーに対して購入への糸口を見出してくれました。

そんなパフォーマでしたが、自社内における製品ラインへの圧迫、生産管理のミス等で採算が取れなくなってしまい、スティーブ・ジョブズ氏がAppleの経営に復帰した際にラインナップから姿を消してしまいました。

今回、せっせと集めていたパンフレットが見つかりましたので、ご紹介させて頂きたい思います。

なお、全ての画像の出典はアップルコンピュータ株式会社となります。

 

出典:アップルコンピュータ株式会社

「パフォーマ」には、本体、キーボード、マウスといったハードに加えて、多数のソフトまでが一つのパッケージに同梱されていました。こういった製品は、今までありそうでなかったのかもしれません。更には、当時としてはまだまだ珍しかったインターネットへの接続も可能という事で、正に至れり尽くせり状態でした。

当時のOSは懐かしの「漢字TALK7.5」。この日本語向けのOS「漢字TALK」という呼び名は、個人的に非常にセンスがあるなあと妙に感心したものです。しかしながら、その評判は今ひとつで「Mac=爆弾」が頻発するという図式が出来上がったのもこの頃だったと思います。そんな悪名高きMacでしたが、実際のところ他のOSでもそれなりにフリーズは発生していたようです。但し、Macにおける爆弾の出現は非常にインパクトがあり、結果、皆の記憶に強く残ってしまった様です。私自身、何度も経験しましたが、あのインパクトは半端ではありませんでした。しかも、こういう時に限って「command+s」が疎かになっていたりするんですよね。

 

出典:アップルコンピュータ株式会社

パフォーマが持つ大きな魅力の一つに、TVやビデオといった映像やサウンド等、色々な素材を取り込める機能がありました。それまで録りためていた動画をこれ一台で編集出来る訳ですから、中々魅力的です。

しかしながら如何せん当時のスペックでは、その作業環境は必ずしも快適であったとは到底思えません。CPUのクロック数は勿論の事、やはり内蔵HDの容量が少なすぎます。元々、MacのHDの容量は当時から他のパソコンに比べて少ない傾向だったのですが、動画を扱う上で1.2GB(1.2Tではありません)では辛いモノがあります。通常の使用用途ならまだしも、膨大な容量を扱う動画では苦戦を強いられたと思います。もちろん大前提として、表示出来る画像サイズをかなり小さくする事で編集作業が可能になったものだと思われます。全画面表示なんて、当時はそれこそ夢のまた夢でしょう。まあそれでも動画編集を極める第一歩だと思えば、さもありなんだったのかもしれません。

いや~それにしても、画面上部のビデオデッキやら8ミリビデオの造形が懐かしすぎますね。画面下部に見える年賀状の切手は50円ですし郵便番号はまだ5桁という…何とも時代です。

 

出典:アップルコンピュータ株式会社

「オールインワン」というだけあって、本体正面左側にはフロントローディングタイプのCD-ROMドライブ、そして右側には、な、な、な、懐かしのフロッピーディスクドライブが設けられています。当時はこれだけあれば充分ではなかったでしょうか。他にも記録媒体としては、他所のデザイン事務所に渡したら、二度と帰ってこない「MO」や、海外では何故か本体に標準で搭載されていた「ZIP」なんてのもありましたね。

今やフロッピーディスクは勿論の事、CD-ROMすらほとんどのパソコンには搭載されておらず、データのやりとりは全てインターネットを介して行われる時代。そんな時代が訪れるなんて、この時は夢にも思っていませんでした。

それにしても一番下に掲載されている「Performa 588」。他のマシンに比べ性能は低いものの、筐体のデザインが一番かわいらしく見えます。初代Macの愛らしいデザインが少なからず踏襲されている様です。

 

出典:アップルコンピュータ株式会社

バンドルソフトの数々が紹介されています。その品質はともかく「とにかく触れる」には充分な内容だったのではないかと思います。

紙面に目をやると…懐かしいところでは「Netscape Navigator」の画面が確認出来ますね。昔のブラウザはこの「Netscape Navigator」と「Internet Exproler」が二大巨頭として君臨していましたっけ。

ドロー系ソフトの「クラリスワークス」も勿論バンドルされていますし、その他には、美麗グラフィックでかなりの難易度を誇った「Myst」もプレイ出来たみたいです。

 

出典:アップルコンピュータ株式会社

パフォーマシリーズのラインナップが掲載されています。当時、私が大枚をはたいて購入した最高峰の「Performa5320」でさえ、内蔵ハードディスクの容量は1.2GB、モニタの解像度は最高でも832✕624、色数は256色という仕様でした。当時はそれでも満足していたのですが、流石に256色表示の写真画像は辛いものがありましたね。

ラインナップの下には、周辺機器としてプリンタやデジタルカメラ、映像関係のシステムが用意されています。恐らくどれもがソコソコ高価なのは想像に固くありません。

因みに、その形状がユニークな「Apple QuickTake 150」の価格を調べてみると…1995年当時で700USドルとあります。1995年当時は1ドル94円程ですので、定価は65,800円となります。やはりかなり高額と言わざる負えないですね。スペック的にはデジタルカメラ黎明期故に、今のソレとは比べるまでもありませんが「フィルムなしで写真が撮れる」という事実が各分野にもたらした功績は、大きかったのではないかと思います。

ダイハツミゼットII(DAIHATSU midget II)1996年チラシ

出典:ダイハツ工業株式会社

ミゼットII」は1996年4月、ダイハツより発売された軽トラックです。

当時「一人乗り」の乗用車として登場し、世間を驚かせました。

「一人乗り」という事で、その用途はかなり限定されたと思うのですが、私が街中で見た限りでは主に配達用に利用されていたと思います。価格も乗用車としては46.9万円からと、かなりリーズナブルでしたし。

しかしながら後方の荷台の積載量は150kgと心許なく、また馬力も31psと決してパワフルではなかったものの、570kgの軽量ボディのおかげで4速ミッションの走りは、中々元気だったようです。

今考えると、使用用途としては他に、ソロキャンプなどは楽しいかもしれませんね。

因みに「ミゼットII」というからには所謂「ミゼットI」もある訳でして、初代は1957年から1972年まで軽自動車規格の三輪自動車として生産・販売されました。

有名な所では、映画「ALWAYS 三丁目の夕日」シリーズに劇中車として登場しています。

「midget」とは英語で「超小型のもの」という意味で、初代の通称「バーハンドルミゼット」は249ccの2ストローク単気筒エンジンで、最高出力8馬力、最高速度60km/hというスペックでした。

ミゼットの広告の下には「MOVE」「ミラ・モデルノ」「オプティ」と懐かしのラインナップが掲載されています。その外観はいずれも時代を感じさせてくれますが、パッと見「オプティ」は今でもイケそうかなあ。

 

 

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こちらは後に発売された、オートマの二人乗りとカーゴタイプです。

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「3DO REAL情報マガジン 3DO REAL ファン 7月号」平成6年(1994年)

 

表紙

出典:松下電器産業株式会社インタラクティブ メディア事業部

 

平成6(1994)年に松下電器産業株式会社インタラクティブメディア事業部より発行された「3DO REAL情報マガジン 3DO REAL ファン 7月号」の表紙です。

今はなき、地元の量販店にてゲットしました。

表紙に目をやると、「人類よ、REAL世界へ突入しなさい。」の文字が。
ありましたねえ、そんなCM。ちょっと怖めのアインシュタイン風のCGがそんな事をしゃべっていた様な気がします。

3DO(スリーディーオー)」とは規格の名称で、日本では最初に松下電器産業が「3DO REAL」として、また後に三洋電機が「3DO TRY」として開発・販売を行いました。

セガサターンプレイステーションより9ヶ月も早く販売されたため、一部のファンから注目を浴びました。

ゲームデザイナーの故飯野賢治氏が手掛けたアドベンチャーゲームDの食卓」など少々マニアックながらも良質なソフトは少なからず存在していましたが、如何せん決定的なキラーソフトの存在に乏しく、また販売戦略も宜しくなかったため、セールス的には失敗に終わってしまいました。

そんな悲劇のマシンですが、個人的に3DO REALの本体デザインは好きだったりします。

 

 

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ジュラシック・パーク インタラクティブ

出典:松下電器産業株式会社インタラクティブ メディア事業部

 

1993年に公開された映画「ジュラシック・パーク」に、ガッツリと乗っかった感満載の3Dアクションゲームです。

2022年現在「ジュラシック・ワールド」が公開されているので、このシリーズは中々息が長いですね。

さすが次世代機。描写能力はパッと見素晴らしいのですが、肝心なのはそのゲーム内容。海外のゲームにありがちな独特の雰囲気が、ぷんぷんと漂っています。

高価な本体価格と高価なソフトの価格。果たして購入した人はどれ位いたのでしょうか。

 

 

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ロードラッシュ

出典:松下電器産業株式会社インタラクティブ メディア事業部

このタイトルは、色々な機種に移植されたのですが、ご多分に漏れず、3DO版も存在していました。

それにしても、ルール無用の公道バイクレース。骨折、流血、内蔵破裂、そんなものはカスリ傷(内蔵破裂は違うと思う)って、そんな描写のあるゲームを仮にも、家庭用のインタラクティブマルチプレーヤーを目指していたであろうゲーム機で、良くも発売したものです。

時代的なモノもあるのでしょうが、本体のみでソフトの供給面に余り注視しなかった松下電器にも大きな要因があるのではないでしょうか。

まあ、単純に「面白ければイイ」とは思うのですが。

 

 

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宇宙生物フロポン君/レミングス

 

 

 

出典:松下電器産業株式会社インタラクティブ メディア事業部

さて続いてご紹介するゲーム、先ずは「宇宙生物フロポン君」です。

恐らく落下型のパズルゲームだとは思うのですが、このゲーム、正直なところ全く知りませんでした。パッと見、およそ次世代ゲーム機には見えない画面構成が中々斬新です。お値段も安いので、これはこれで良いのかもしれませんね。

次はみなさんご存知の「レミングス」です。それこそ色々な機種に移植されましたが、個人的には「パソコンのゲーム」というイメージが強いですね。(特にキューハチ)

ひたすら行進を続けるレミングスをいかに上手く出口へ導けるかというゲームなのですが、様々な罠が随所に仕掛けられており、結構な難易度だったと思います。

それにしても、右下には何やら物騒なコピーもあったりして、現在だとコンプライアンスに引っ掛かるかもしれませんね。

 

 

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パットパットファンパック(仮称)/ファッティーベアファンパック(仮称)

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続きましては、教育用ソフト「パットパットファンパック(仮称)」と「ファッティーベアファンパック(仮称)」のご紹介です。

残念ながら全くの初見で、どういった内容かも良くわからないのですが、インタラクティブマルチプレーヤー宜しく、取り敢えずは「教育用のソフトも押さえていますよ」みたいな感じで販売された感が否めません。

元来、「教育用ソフトは売れない」というのが持論なのですが、唯一売れたと言えば、古くはコナミの「けっきょく南極大冒険」位ではないでしょうか。確か教育用ソフトの「地理」だったと思います。まあ、教育用ソフトとしては、ほとんどこじつけではありますが。

 

 

囲碁タイムトライアル/SECRE フーミンのおもちゃ箱(仮称)/Diving Spot Guide Marine Tour

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続いてのソフトのご紹介です。このページはかなりカオスな状況になっています。
囲碁」に「フーミン」に「マリンツアー」ですか。

囲碁はまあ、一定のファン層がいるとは思うのですが、気になるのは「フーミンのおもちゃ箱」。

もう今の若い方はご存知ないと思うのですが、グラビアアイドルとして一世を風靡した…かな?フーミンこと細川ふみえ氏が出演している作品です。「CDジャケットをつくろう!」……な、中々画期的です…。果たして需要は?個人的に細川ふみえ氏と言えば、「バスロマン」のCMが思い出されます。

前ページでは教育ソフトが掲載されているかと思えば、一転、お色気ソフト風な実写シュミレーションソフトの掲載…。次世代ゲーム機草創期における混乱が見受けられますな。

「マリンツアー」に関しては、真面目に作られたデータベース的なソフトだとは思うのですが、当時どれ程の需要があったのか疑問です。値段も少々お高いですしね。

 

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THE HORDE(ザ・ホード)

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続いてのソフトは「THE HORDE」です。ご覧ください、紙面から漂う洋ゲーの危険な香り。どうやら実写の部分は米国の俳優、映画スタッフ陣が作り出した驚異の映像が体験出来るみたいですが、果たして。

早速、某サイトにて動画を眺めてみたのですが、冒頭にこれでもかと映画さながらの動画が設けられていました。画像は荒いですが、当時としては確かに驚異的なビジュアル表現だと思います。個人的に、この雰囲気はそんなに嫌いじゃないかもです。まあ実際にプレイはしないと思いますが。

調べてみると、この「THE HORDE」。セガサターンDOSにも移植されていたみたいです。サターンと聞くと、何だか一気に親近感が湧いて来るのは気のせいでしょうか。

 

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SUPER WING COMMANDER(スーパーウイングコマンダー)/Virtual Quest ファラオの封印

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洋ゲーは続きます。
先ずは「スーパーウイングコマンダー」。制作は数々の怪作を手掛けて来たエレクトロニック・アーツ・ビクター。EAと言えば、やはり帝王「ソダン」。メガドライブのソフトレビュー誌上で、ぶっち切りの最下位を長年記録した「ソード・オブ・ソダン」が思い出されます。

少々話がそれてしまいましたが、時は、27世紀。これまた随分先の話ですが、え~っと何々「猫型宇宙人」が侵略して来ていたんですね。「猫型ロボット」は聞いた事がありますが、「猫型宇宙人」は中々斬新です。アイパッチを付けた髭の男がマーベリック士官でしょうか。中々怖そうな親父ではあります。

米国で「ベストアクションゲーム・オブ・ザ・イヤー」を受賞した位ですから、きっと面白いゲームなのでしょう。そう思いたいところです。

続いては「ファラオの封印」です。こちらはアスク講談社とシステムサコムの作品になります。システムサコムといえば、1983年から主にホビー向けパソコンや家庭用ゲーム機向けにゲーム開発を行って来た老舗の会社です。当ブログでもパソコン用ソフトをご紹介させて頂いています。

 

arimushi.hatenablog.com

 

さて話を戻しまして、この作品は古代エジプトを舞台とした3Dダンジョンっぽいゲームと言ったところでしょうか。左下には「突然飛び出す槍」なんかが紹介されていますが、ひょっとしたら理不尽な敵の攻撃に対してひたすら覚えて対応していかなければならない、いわゆる「覚えゲー」ではないかと、一抹の不安を抱いたりもしています。

 

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おまけで「ソード・オブ・ソダン」をば。

8分59秒でクリアなんて信じられません。凄すぎます。

因みにこのゲームにBGMなんてものはありません。しかしながら1面では時折、鳥のさえずりを楽しむ事が出来、シュールな世界観が味わえます。

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MICROCOSM(マイクロコズム)

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さて、漸く遊んだ事のあるゲーム「マイクロコズム」のご紹介です。まあ遊んだのは、実は「メガCD」版だったりする訳ですが。

それにしてもさすが次世代機。画像の美しさは「メガCD」版のそれとは比べモノにならないみたいですね。説明文にもある様に、映画「ミクロの決死圏」を彷彿とさせるゲーム設定ではあります。

ところで、体内を探検する話と言えば、個人的に「ドラえもん」が思い出されます。タイトルは「たとえ胃の中、水の中」。初期の頃の作品だったと思うのですが、しずかちゃんがママの指輪を誤って飲み込んでしまい、ドラえもんのび太が小さくなって、しずかちゃんの体内に探しに行くというお話。

ミッションは無事成功するものの、のび太の悪ふざけもあって、あろうことか、しずかちゃんを題材とした所謂下ネタ的な展開もあり、短編ながらも中々印象深い作品に仕上がっています。そう言えば、子ども頃この話を読んで、何だかドキドキした記憶が。

話が大幅にそれてしまいましたが、本作品も違う意味できっとドキドキが味わえるのではないかと思われます。

 

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メガCD

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遥かなるオーガスタ3/ペブルビーチの波濤

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さて、次なるソフトはグッと大人っぽくなって、「遥かなるオーガスタ3」と「ペブルビーチの波濤」(何とも格好良いゲームタイトルだなあ)です。

手掛けたのはパソコンゲームの老舗、今はなき「T&E SOFT」です。その昔、パソコン雑誌に「3Dゴルフシミュレーション」のゲーム画面が良く掲載されていたせいか(結構売れたらしい)個人的に「T&E SOFT」といえば「ゴルフゲーム」の制作会社というイメージが強かったりします。

「遥かなるオーガスタ」は元々16ビットパソコン様に発売されたもので、それが3DO版になってパワーアップして帰って来たという感じでしょうか。

しかしながら、下に掲載されている「ペブルビーチの波濤」もそうなのですが、この頃はポリゴンによるテクスチャマッピングなんて、まだまだの時代。それ故に、思いっ切り実写の人物が合成されています。次世代機らしく描写能力は確かに凄いのでしょうが、これだと何だか取って付けた感が否めないというか、シラケてしまうんですよねえ。

そんな不満を呈しつつも、果たして。当時のお父様たちは楽しむ事が出来たのでしょうか。

 

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NIGHT TRAP(ナイトトラップ)

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続いてのソフトは「NIGHT TRAP」です。このソフトも実際にプレイしましたねえ。ええ、ええ、勿論メガCD版ですが。

当時は「CD版=容量が多い=きっと何か凄いゲームが遊べるのでは」的な図式が自分の中で出来上がっており、こヤツも凄いに違いないと期待したものです。(危険な洋ゲーですが)

しかしながら、CDの大容量を活かしたお決まりの粗い画質での実写動画に感動していたのも、この頃位までだったでしょうか。段々と目が肥えて来て、最初の興奮も何処へやら。詰まる所、冒頭の動画なんてものは当時はゲームのシナリオ自体に実はそこまで関係が無いものも多く、言うなれば「おまけ」的な存在。故に、少々食傷気味だったのかもしれません。まあゲーム自体に花を添えてくれていたのは間違いありませんが。

肝心のゲーム内容といえば、トラップを使用して敵を撃退していくのですが、かなりシビアな場面の連続で、到底クリアには辿り着けないであろう状態。購入早々、売り払った根性無しのワタクシでありました。

 

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THEATRE WARS 娯楽の殿堂/時を超えた手紙/麻雀悟空 天竺

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さてさて次は、じっくりと腰を据えて楽しめるであろう、3作品のご紹介です。

先ずは、オーナーとしてオンボロ劇場の再建を目指す「娯楽の殿堂」です。

個性豊かなキャラクターたちを上手く演出し、客を動員。収益を上げる事によって更なる芸人を呼び、1億円もの借金を返済して行くという一風変わったシミュレーションゲームです。

後にも先にも、こんな設定のゲームって無かったのではないでしょうか。ゲームバランスも中々良い感じみたいです。

続いてはイラストのタッチが中々渋い「時を超えた手紙」です。開発はあの「シンキングラビット」。この社名は懐かしいですね。パソコンゲームの黎明期に数々のアドベンチャーゲームを世に送り出しました。

しかしながら、やはり「シンキングラビット」と言えば「倉庫番」ではないでしょうか。本当に歯応えのあるパズルゲームでした。

さて、この「時を超えた手紙」は推理アドベンチャーゲームで、パソコンゲームからの移植となります。元々は「カサブランカに愛を ~殺人者は時空を超えて~」というタイトルでしたが、著作権の問題で現タイトルに変更されました。

主人公ジュリー・ランドルフが友人メイ・エルガーの日記を元にその行方を探すというものです。

私は実際にプレイした事はないのですが、レビューを見てみると「傑作」という声も多く、少々気になるところです。

最後にご紹介するのは、正に「時を超えた」ジャンルで、はるか昔から現在でも親しまれているテーブルゲーム、麻雀です。その名も「麻雀悟空 天竺」。

人間らしい思考ルーチンがもたせてあるらしいので「イカサマ」的な麻雀では無い様ですね。

因みに「イカサマ」麻雀と言えば、個人的にはメガドライブの「麻雀COP 竜」が思い出されます。これは、良くも悪くも結構酷かったかもしれません。そういえば、麻雀牌から手足が生えて行進して行くシュールなエンディングがあった様な気がしますが、果たして。

 

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おまけ

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POWERS KINGDOM(パワーズキングダム)

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次にご紹介するのは「パワーズキングダム」です。

開発元は、これまた懐かしの「マイクロキャビン」です。「マイクロキャビン」と言えば、やはり個人的には「ミステリーハウス」が思い出されます。

調べてみると「ミステリーハウス」が最初に発売されたのは1982年で、対応機種は何とMZ-2000版でした。今では考えられない位の簡素な線描きによるモノクロ画面(MZ-2000はグリーンディスプレイでしたね)構成なのですが、かえってそれが建物が持つ不気味さを醸し出しているというか、何というか。不思議な魅力に溢れた作品でした。

 

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そんな魅力溢れるソフトを開発していた「マイクロキャビン」ですが、同社は今でも健在であり、現在ではアミューズメント用ソフトウェアの企画・開発を行っています。因みにロゴも昔のママでした。

 

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さて、例の如く話が逸れまくっていますが、本作品は当時の3DOのソフトとしては珍しく、本格的なゲーム性が求められた3Dシミュレーション・ロールプレイングゲームとの事。剣と魔法の世界を舞台に多彩なキャラクターたちを育て上げ、物語を進めていきます。

3DOでしか遊べない、唯一無二の貴重な作品となっています。

 

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黒き死の仮面/ドラゴンズレア/ステラ7 ドラクソンの逆襲

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またまた、やって参りました。マイナータイトルの数々。唯一分かるのは「ドラゴンズレア」位でしょうか。

「アニメ・アドベンチャー」と記載されている様に、ゲーム画面は全てアニメーションで展開され、時折画面上に出てくる指示にしたがって先に進んで行くという、専ら反射神経が試されるゲームだったと思います。

似たところで、個人的にはこれまたメガCD版の「サンダーストームFX」で遊んだ記憶があります。当時としては、メガドライブでアニメーションが動くという事実に驚かされました。そういえば「タイムギャル」なんてのもありましたね。

 

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誌面に戻りまして、先ずは「黒き死の仮面」。嫌いではありませんよ、こんな雰囲気

しかしこの説明だけでは正直なところ、どんなゲームかサッパリですね。

次は「ステラ7 ドラクソンの逆襲」です。

う~ん。これも「3Dシューティング」というだけで、特筆すべき事はなさそうです。確かに、静止画のCGだけを見ると中々凄そうではありますが。

何だろう…。何だか既に3DOに少しばかり暗雲が立ち込めて来ている様な気がするのは気のせいでしょうか。

 

 

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バーニング・ソルジャー

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続きまして、「CGシューティング」というジャンル分けが中々時代的な「バーニング・ソルジャー」です。

パッと見、当時としては中々の美麗グラフィクです。しかしながら「シューティング」と銘打ってはいるものの、蓋を開けてみればゲーム自体はムービ展開するLDゲーム(これまた懐かしい)に近く、所謂、覚えゲー的な要素が含まれているとの事。

折角の美麗グラフィックなのに…大丈夫? 3DO…。

 

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Fire Ball !!(ファイアボール)/THE LIFE STAGE(ライフ ステージ)/武 TAKERU

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先ずは「スーパーリアリスティック」な3Dピンボール、その名も「ファイアボール」のご紹介です。

そう言えば、ピンボールのゲームってありそうで無いですよね。古くはボールのリアルな挙動に感動したPC6001mkIIの「ミッドナイトマジック」やPCエンジンの「エイリアンクラッシュ」また、メガドライブの「デビルクラッシュMD」位でしょうか。

しかも純粋なピンボールゲームと言えば「ミッドナイトマジック」位で後の2作品は、おどろおどろしい装飾が施されていました。

更に、純粋なピンボールゲームとなると、それは昔ゲームセンターにあったアナログのそれであり、実際のボールをこれまた実際のパドルを操作して遊んでいました。

今ではそんなマシンは、映画のワンシーンで見る位でしょうか。ひょっとしたらお洒落なバーなどに置かれているかもしれません。でも、メンテナンスが大変そうな気がします。

この「ファイアボール」は「台揺らし」も出来る本格的なピンボールゲームで、4つのステージを高得点でクリアすると最終面「宇宙=麒麟」に進めます。

次は「インテリア・シュミレータ」!?「ライフ ステージ」のご紹介です。

「インテリア・シュミレータとは何ぞや?」という感じなのですが、どうやら自分好みの生活空間を作り出し、その空間内を歩き回り楽しむという…いやはや何とも風変わりなジャンルではあります。

もしかしたら注文住宅を考えている人には、うってつけ?かもしれません。

最後にご紹介するのは「武 TAKERU」です。

おお、このタッチは寺沢武一氏ですね。寺沢武一氏といえばやはり漫画「コブラ」が思い出されます。現在、多方面で活躍中のメイプル超合金カズレーザー氏の服装は、漫画「コブラ」の影響を受けているとの事です。

さて、ゲームの方は「マンガCD」という特異なジャンル。ゲーム的な要素が果たして存在するのか少々謎ですが、新たなジャンルに挑戦した一作品と言えそうです。

 

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将棋スペシャル/NFL MADDEN FOOTBALL(NFL マッデンフットボール

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続きまして、先ずはテーブルゲームの王道、将棋ゲームのご紹介で、その名も「将棋スペシャル」です。(タイトルはもう少し何とかならなかったのでしょうか)相手は実力バリバリの「電脳(コンピュータ)棋士」。さて、あなたの実力は如何に。

次にご紹介するのは「NFL マッデンフットボール」です。恰幅の良い男性が「ジョン・マッデン」との事ですが、一体誰?

調べてみると、アメリカ合衆国出身のアメリカンフットボールの元指導者、解説者で、2006年にプロフットボールの殿堂入りを果たした人物でした。残念ながら2021年に85歳で亡くなられています。

恐らく、このジョン・マッデン氏がゲーム中に解説をするのではないかと睨んでいるのですが果たして。

正直な所、将棋もフットボールもそのルールが全く分からないので、何ともぼんやりとした説明になってしまいました。(まあ、他のも似たような感じですが…)

 

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トータル エクリプス/バーチャルホラー 呪われた館/クラッシュ・アン・バーン

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マイナータイトルは続きます。

先ずは海外発の3Dシューティングゲーム「トータル エクリプス」です。

意外にも?3DOにはシューティングゲームが多いらしく、本作品も初期に発売された一つとなります。

テクスチャマッピングが施されたゲームフィールドを進む自機は、見事な浮遊感を表現しており、次世代機のパワーを見せつけたといっても過言ではないのかもしれません。難易度的には、少々高めだったようです。

続きまして「バーチャルホラー 呪われた館」です。

良いですねえ。この雰囲気。大好きです。

「館モノ」と言えば、個人的にはメガCD版の「夢見館の物語」が思い出されます。その後発売されたセガサターン版の続編「真説・夢見館 扉の奥に誰かが…」もプレイしましたが、個人的には「夢見館の物語」の方が良い雰囲気を醸し出していたと思います。グラフィックはサターンのそれと比べるまでも無いのですが、不思議なものです。

さて、この「バーチャルホラー 呪われた館」ですが、アドベンチャーゲームかと思いきや、どうやら操作するキャラクターの本人視点でゲーム内を移動して戦うFPSファーストパーソン・シューティングゲーム)みたいです。

洋ゲー特有のセンス溢れる作品となっている様で、3D酔いが凄いみたいです。プレイの際は要注意ですね。

FPSと言えば、個人的にはドリームキャスト版の「ザ・ハウス・オブ・ザ・デッド 2」をプレイした思い出があります。

最後にご紹介するのは、「クラッシュ・アン・バーン」です。

核戦争後の荒廃した地球を舞台に、繰り広げられるカーレースゲームです。それにしても、荒廃した地球でレースが出来る程、潤沢なエネルギーが存在しているのか、そんな事をしている場合なのか、甚だ疑問ですが、まあそれは置いておきましょう。

ゲームは至ってシンプル。マシンガンや地雷、レーザーなど物騒な装備をした武装マシンを駆ってライバルたちを倒していき、1位を目指というもの。今では当たり前かもしれませんが、ゲーム中は視点を「車中」や「斜め後方」など自由に変える事が可能な親切設計でした。

小気味よいBGMと共に、当時としては技術水準が高いレースゲームを楽しむ事が出来ます。

 

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鉄人

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唯一と言うと失礼ですが、この「鉄人」だけは一寸やってみたいですねえ。

それは個人的に好きな俳優、嶋田久作氏が起用されている事が要因かもしれません。

嶋田久作氏と言えば「帝都物語」「帝都大戦」両作品に登場する加藤保憲役が、見事にドハマリしていましたっけ。

さて作品の方に目をやると、誌面から漂う独特の雰囲気。そして実写とCGにより独特のシュールリアリスティックなビジュアルを実現しているとの事。

ゲームの目的は、機械の身体にされてしまった鉄人(主人公)を操作し、襲いかかるモビルを倒しつつ、ダンジョンを抜け、塔上で待つ科学者を目指すというもの。

ゲーム内容は基本的にFPSですが、嶋田久作氏扮する科学者の存在感、プレイ中に鳴り響く効果音、そして最小限のBGM等など随所に効果的な演出が施されており、否が応にもゲームを盛り上げてくれます。

それにしても今回、嶋田久作氏は「マッドサイエンティスト」役として出演されているみたいですが、ホント~にこういった雰囲気の役柄は似合いますねえ。

 

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おまけの「帝都物語」と「帝都大戦」

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京都鞍馬山荘殺人事件/チキチキマシン猛レースウルトラマンパワード

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先ずは、一度は聞いたことがあるであろう小説家、山村美紗氏の「山村美紗サスペンス 京都鞍馬山荘殺人事件」です。

実写アドベンチャーと銘打つだけあって、プレイ中は惜しみなく動画が流れます。出演には小川範子氏や西岡徳馬氏の姿もあり、中々の顔触れです。

ゲームは基本的に一問一答を通して推理を進めて行かなければならず、地道な作業が必要ではないかと思われます。

本ゲームのコンセプトは、3DOが持つマルチメディアプレーヤーという性格に見事に合致し、結果、ロングセラーへと繋がりました。

それにしても、定価12,800円は少々お高いですね。昔の光栄のスーパーファミコンのソフトを彷彿とさせます。


続きまして、3DO発売直後の代名詞的ソフト、正にローンチタイトル「チキチキマシン猛レース」のご紹介です。

確か、TVCMでもかなり紹介されていたので「3DOチキチキマシン猛レース」のイメージが強い方もいらっしゃるのではないでしょうか。

しかしながら基本的にキャラもののゲームは、総じてそのキャラクターの人気にあやかっている場合が往々にしてあり、肝心のゲーム部分がお粗末というのが大半。この「チキチキマシン猛レース」も購入して大変な目にあった人も少なからずいる様です。

肝心のゲーム内容と言えば、どうやら「インタラクティブ・ムービー」の模様。コレは危険が危ないですね。(ご丁寧に、パッケージには本作がレースゲームではない旨が記載されていました)
因みに手掛けたのは、あのハイパーメディアクリエイター(懐かしい)高城剛氏との事です。


最後にご紹介するのは、キャラものに乗っかった感満載の「ウルトラマンパワード」です。

それにしても「怪獣どもよ、かかってきなさい!」って思いっ切り丁寧語なのが笑っちゃいます。

ゲームのジャンルは「実写アクション」となっていますが、その他にも「ビジュアルモード」や「データベース」も用意されており、マルチに楽しめる内容となっています。

 

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Doctor Hauzer(ドクターハウザー)

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続きましては、屋敷内でこつ然と姿を消した考古学者ハウザー博士の行方を追う、新聞記者アダムス・アドラーの物語です。1994年にリバーヒルソフトよりホラーアドベンチャーゲームとして発売されました。

屋敷内には様々なトラップが仕掛けてあり、理不尽な死と常に隣合わせ。その探索は困難を極める模様です。

次世代機の性能をフルに活かし、ゲーム中の描写は全てリアルタイムポリゴンで描かれていますが、如何せん当時の3DOではパワー不足だったのか、粗いポリゴン、低い描画レートによるカクカクな操作感といった感じで、その代償は大きかったみたいです。

しかしながらゲーム性自体は中々評価が高く、隠れた名作と言えるのではないでしょうか。

 

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ジ・インクレディブル・マシ―ン(仮称)/パペットテイル/ノンタンといっしょ のはらであそぼ

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さて、次のソフトは3本ともガッツリ「教育用」ソフトとなっています。何をもって「教育用」と位置づけているのか甚だ疑問ではありますが。

先ずは、余りひねりのないタイトルが少々気になる「ジ・インクレディブル・マシ―ン(仮称)」のご紹介です。後日「パラランチョ」という正式名称で発売された様ですが、「パラランチョ」ってのも何ぞやって感じですね。

このゲーム、基本的にパズルゲームみたいなのですが、そのパズルのパーツが何とも風変わりで、ロープや鉄球といった道具ならまだしも、掃除機、扇風機といった家電製品、果ては猫やネズミといった動物までが使用されており、その発想はかなりブッ飛んでいます。

ゲーム性云々の前に、操作性がかなり悪い様で少々残念な仕上がりになっているとの事です。

二つ目は懐かしの3Dソフト「ストラタ」で制作した様なキャラクタが登場する「パペットテイル」です。

「パペット」と言えば、独特のシュールなコントが印象的だった「パペットマペット」。最近はお茶の間でその姿を見る機会も減った様な気がします。

さて「アニメ教育」と名付けられたこのソフト。どうやら、お子様の知的好奇心を育むインタラクティブムービー的な絵本の様です。恐らくゲーム的要素は無いに等しく、所謂デジタル絵本的な感じで勝手にストーリーが進んで行く類のものだったのではないかと思われます。

三つ目は、その独特な愛くるしい画風で今なおファンも多い、ノンタンを起用したアニメ教育ソフト「ノンタンといっしょ のはらであそぼ」です。

方向キーやボタンを操作してノンタンの仲間たちと共にインタラクティブの世界を体験出来るとの事です。

ところで、ゲームタイトル右上には懐かしの番組「ウゴウゴルーガ」の文字が確認出来ます。「ウゴウゴルーガ」といえば個人的に、コモドールより発売されたパーソナルコンピュータ「Amiga(アミーガ)」が思い出されます。懐かしい。

ノンタンの作者キヨノサチコ氏は、残念ながら2008年に亡くなられていますが、「ノンタン」シリーズは何と40巻、2800万部が発行されているベストセラー作品です。

 

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リアル爆発! おもしろソフト、フルラインアップ!

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長々とご紹介して来た3DOソフト。1994年7月当時のフルラインアップとなります。

こうして改めて見てみると、今では考えられない位のかなり濃い顔触れに、驚きを隠せません。

最終的に3DOソフトは1994年から1996年にかけて、全250タイトルが発売されました。

 

 

 

「REAL CLUB」メンバーの大募集だ!

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当時発足した「REAL CLUB」メンバー募集のページです。

入会費などは一切かからず、はがきを投函するだけで色々な特典が受けられたようなので、お得といえばお得ですね。それにしても「はがき」で入会するあたりが何とも時代です。

余談ですが、3DOからPanasonicが撤退する際に、当然の如くこの会も解散となったのですが、その際に何と会員全員にもれなく3DOのソフトが無料で送られたとの事。どんなソフトだったのか今となっては知る由もありませんが、何だか嬉しいような、哀しいような何とも言えない出来事ではあります。

 

 

 

 

REAL本体およびソフト、フォトCDについてのお問い合わせは、下記まで

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ゲーム機本体やソフトについてのお問い合わせ先が掲載されています。

本体はまだしも、各ソフトウェアメーカーの電話番号まで掲載されているのは中々です。実際に電話を掛けた際の対応は、どのようなものだったのでしょうか。何だか世間話にも花が咲いたりして、ユーザーとの良好な関係が築けていたのでは…なんて勝手な想像をしてしまいました。

 

 

 

 

君はもう、REALを体験したか!

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岩の上に静かに佇む3DOの勇姿。何ともカッコイイですね。

本体標準価格は54,800円。当時の消費税は…何と!まだ3%だったので、税込で56,444円。それでもやはり本体価格がかなり高額なのは否めません。

スペックもこの時代の家庭用ゲーム機としては恐らく凄かったのでしょうが、如何せん後発の敵が強大過ぎました。

 

 

 

REALのハイスペックが、ゲームをおもしろくする。

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これでもかと、REALのハイスペックが紹介されていますが、当時印象深かったのはやはり「1,670万色表示」でしょうか。

私が初めて触れたパソコン、懐かしの富士通FM-7では、その表示数は驚愕の8色でしたから隔世の感があります。

因みにこの1,670色表示は、以下の式で求められます。

8ビット(2の8乗)=256階調(色)
256階調(Red)✕256階調(Green)✕256階調(Blue)=1,677万7216色
1,677万7216色≠約1,670万色

正直、良く分かりませんが何か凄いなあと。

因みに3DOのそれは、あくまでも最大であって同時発色数は32,000色となります。まあ、それでも十分凄いですが。

 

 

 

REALなら、いろいろマルチに楽しめる。

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ここに来て更に「インタラクティブマルチプレーヤー」振りをアピールしていますが…。

先ず、テレビで楽しめる「音楽CD」。これは特に必要性を感じないかもです。音楽に合わせて動き出すグラフィックスも、そんなに種類はなさそうですし、すぐに飽きそうな気がしてなりません。確か「セガサターン」にもこのような機能があったと思うのですが、秒速で飽きた記憶があります。

また、カラオケや絵本が楽しめる「CD-G」は中々ですが、家で歌うよりはカラオケ店に行った方が断然楽しめると思います。

絵本は置き場所に困らなくて良いかもしれませんね。電子書籍の走りでしょうか。ただ、どの位のコンテンツがリリースされたのか少々気になるところです。

さらに「ビデオCD」は、デジタルなのにVHSより画質が悪く(何たる事実…)更には74分という再生時間等で世界的な普及には至りませんでした。(DVD発売までの繋ぎにはなった模様)

「フォトCD」も安価に写真をデジタル化出来るという事で、プロの写真家から一定の評価を得たものの、CD-ROMの普及率の低さ等の問題で、結局のところ世界的な普及には至りませんでした。

改めてこうして見てみると「マルチプレーヤー」振りを謳っている割には、何とも中途半端というか、残念というか…力不足な感じが否めません。

 

 

 

 

ゲームファンを震撼させる、迫力の「重低音体感システム」

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良いですね、この音響システム。クッションスピーカーの効果はさておき、部屋とお金に余裕があれば、揃えても良いシステムなのではないでしょうか。REAL以外のAV機器でも使えたみたいですし。

画面上の悪名高きゲーム?「チキチキマシン猛レース」の「ブラック魔王」もそう囁いているに違いありません。「シシシシ……」ほら、ケンケンの声も…。

如何でしたでしょうか。「Panasonic 3DO REAL」の世界。

次世代機として先陣を切ったにも関わらず、後発のセガサターンプレイステーションに、あっという間に水を開けられる事態へと陥ってしまいました。

発売当初は品切れにもなったという3DO REAL。敗因は色々とあるのでしょうが、高価な本体価格、支持するサードパーティーの少なさ、洋ゲーや版権キャラものが大半を占めていたソフト構成、そして圧倒的に少ないソフトウェアの数、競合機の普及などなど。慣れないゲーム市場における販売戦略のマズさも手伝って、1994年発売の本機は1996年には市場から姿を消すという短命に終わってしまいました。ゲーム機だけに特化せず「インタラクティブマルチプレーヤー」という立ち位置も、結果的には中途半端だったのかもしれません。

冒頭でも少々触れましたが、本体デザイン自体は結構好きだったので、もう少し頑張って欲しかったというのが正直な所です。まあ私はマークIII時代から根っからのセガ派でしたので、後発の「セガサターン」を購入しました。その後セガも「ドリームキャスト」を最後に、ゲーム機本体の販売から撤退してしまいますが、それは少し先のお話です。

福岡市内電車廃止記念 昭和50年11月2日

福岡市内電車廃止記念 表紙

出典:西日本鉄道株式会社

1975年(昭和50年)11月2日に福岡市内の電車廃止記念に発売された乗車券です。

個人的に、それほど列車関係に傾倒していた訳ではないので、何故この乗車券が手元にあるのか謎なのですが、恐らく色々なモノを収集しがちな叔母から譲り受けたモノではないかと思われます。

レザックで作られた紙製のポケットに3枚の乗車券が入ります。流石にこの時代だと西鉄ロゴマークが古いですね。確か、列車の車輪をモチーフに制作されていたと思います。運賃も大人が60円、小人が30円と中々リーズナブルで時代を感じさせてくれます。

乗車券のデザインはアール・ヌーヴォー風の飾り罫で写真を両端から挟む様にレイアウトが施されています。比較的明るい色使いとモノクロの写真が相まって、中々面白い効果を醸し出しているのではないでしょうか。

また、裏面の無骨とも言える「60」や「小30」の表記など利便性を優先させているのでしょうが、それが逆にシンプルで、且つデザイン性も感じさせてくれます。

今から47年も前に発売されたモノですので、ひょっとしてプレミアでも付いているのではないかと、某オークションサイトを覗いてみたのですが、さほど価値は上がっていませんでした。やはり世の中、そんなに甘くはありませんね。