蟻虫とカラットゾンビ

懐かしの所有物で振り返る断捨離前の悪あがき

「3DO REAL情報マガジン 3DO REAL ファン 7月号」平成6年(1994年)

 

表紙

出典:松下電器産業株式会社インタラクティブ メディア事業部

 

平成6(1994)年に松下電器産業株式会社インタラクティブメディア事業部より発行された「3DO REAL情報マガジン 3DO REAL ファン 7月号」の表紙です。

今はなき、地元の量販店にてゲットしました。

表紙に目をやると、「人類よ、REAL世界へ突入しなさい。」の文字が。
ありましたねえ、そんなCM。ちょっと怖めのアインシュタイン風のCGがそんな事をしゃべっていた様な気がします。

3DO(スリーディーオー)」とは規格の名称で、日本では最初に松下電器産業が「3DO REAL」として、また後に三洋電機が「3DO TRY」として開発・販売を行いました。

セガサターンプレイステーションより9ヶ月も早く販売されたため、一部のファンから注目を浴びました。

ゲームデザイナーの故飯野賢治氏が手掛けたアドベンチャーゲームDの食卓」など少々マニアックながらも良質なソフトは少なからず存在していましたが、如何せん決定的なキラーソフトの存在に乏しく、また販売戦略も宜しくなかったため、セールス的には失敗に終わってしまいました。

そんな悲劇のマシンですが、個人的に3DO REALの本体デザインは好きだったりします。

 

 

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ジュラシック・パーク インタラクティブ

出典:松下電器産業株式会社インタラクティブ メディア事業部

 

1993年に公開された映画「ジュラシック・パーク」に、ガッツリと乗っかった感満載の3Dアクションゲームです。

2022年現在「ジュラシック・ワールド」が公開されているので、このシリーズは中々息が長いですね。

さすが次世代機。描写能力はパッと見素晴らしいのですが、肝心なのはそのゲーム内容。海外のゲームにありがちな独特の雰囲気が、ぷんぷんと漂っています。

高価な本体価格と高価なソフトの価格。果たして購入した人はどれ位いたのでしょうか。

 

 

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ロードラッシュ

出典:松下電器産業株式会社インタラクティブ メディア事業部

このタイトルは、色々な機種に移植されたのですが、ご多分に漏れず、3DO版も存在していました。

それにしても、ルール無用の公道バイクレース。骨折、流血、内蔵破裂、そんなものはカスリ傷(内蔵破裂は違うと思う)って、そんな描写のあるゲームを仮にも、家庭用のインタラクティブマルチプレーヤーを目指していたであろうゲーム機で、良くも発売したものです。

時代的なモノもあるのでしょうが、本体のみでソフトの供給面に余り注視しなかった松下電器にも大きな要因があるのではないでしょうか。

まあ、単純に「面白ければイイ」とは思うのですが。

 

 

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宇宙生物フロポン君/レミングス

 

 

 

出典:松下電器産業株式会社インタラクティブ メディア事業部

さて続いてご紹介するゲーム、先ずは「宇宙生物フロポン君」です。

恐らく落下型のパズルゲームだとは思うのですが、このゲーム、正直なところ全く知りませんでした。パッと見、およそ次世代ゲーム機には見えない画面構成が中々斬新です。お値段も安いので、これはこれで良いのかもしれませんね。

次はみなさんご存知の「レミングス」です。それこそ色々な機種に移植されましたが、個人的には「パソコンのゲーム」というイメージが強いですね。(特にキューハチ)

ひたすら行進を続けるレミングスをいかに上手く出口へ導けるかというゲームなのですが、様々な罠が随所に仕掛けられており、結構な難易度だったと思います。

それにしても、右下には何やら物騒なコピーもあったりして、現在だとコンプライアンスに引っ掛かるかもしれませんね。

 

 

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パットパットファンパック(仮称)/ファッティーベアファンパック(仮称)

出典:松下電器産業株式会社インタラクティブ メディア事業部

続きましては、教育用ソフト「パットパットファンパック(仮称)」と「ファッティーベアファンパック(仮称)」のご紹介です。

残念ながら全くの初見で、どういった内容かも良くわからないのですが、インタラクティブマルチプレーヤー宜しく、取り敢えずは「教育用のソフトも押さえていますよ」みたいな感じで販売された感が否めません。

元来、「教育用ソフトは売れない」というのが持論なのですが、唯一売れたと言えば、古くはコナミの「けっきょく南極大冒険」位ではないでしょうか。確か教育用ソフトの「地理」だったと思います。まあ、教育用ソフトとしては、ほとんどこじつけではありますが。

 

 

囲碁タイムトライアル/SECRE フーミンのおもちゃ箱(仮称)/Diving Spot Guide Marine Tour

出典:松下電器産業株式会社インタラクティブ メディア事業部

続いてのソフトのご紹介です。このページはかなりカオスな状況になっています。
囲碁」に「フーミン」に「マリンツアー」ですか。

囲碁はまあ、一定のファン層がいるとは思うのですが、気になるのは「フーミンのおもちゃ箱」。

もう今の若い方はご存知ないと思うのですが、グラビアアイドルとして一世を風靡した…かな?フーミンこと細川ふみえ氏が出演している作品です。「CDジャケットをつくろう!」……な、中々画期的です…。果たして需要は?個人的に細川ふみえ氏と言えば、「バスロマン」のCMが思い出されます。

前ページでは教育ソフトが掲載されているかと思えば、一転、お色気ソフト風な実写シュミレーションソフトの掲載…。次世代ゲーム機草創期における混乱が見受けられますな。

「マリンツアー」に関しては、真面目に作られたデータベース的なソフトだとは思うのですが、当時どれ程の需要があったのか疑問です。値段も少々お高いですしね。

 

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THE HORDE(ザ・ホード)

出典:松下電器産業株式会社インタラクティブ メディア事業部

続いてのソフトは「THE HORDE」です。ご覧ください、紙面から漂う洋ゲーの危険な香り。どうやら実写の部分は米国の俳優、映画スタッフ陣が作り出した驚異の映像が体験出来るみたいですが、果たして。

早速、某サイトにて動画を眺めてみたのですが、冒頭にこれでもかと映画さながらの動画が設けられていました。画像は荒いですが、当時としては確かに驚異的なビジュアル表現だと思います。個人的に、この雰囲気はそんなに嫌いじゃないかもです。まあ実際にプレイはしないと思いますが。

調べてみると、この「THE HORDE」。セガサターンDOSにも移植されていたみたいです。サターンと聞くと、何だか一気に親近感が湧いて来るのは気のせいでしょうか。

 

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SUPER WING COMMANDER(スーパーウイングコマンダー)/Virtual Quest ファラオの封印

出典:松下電器産業株式会社インタラクティブ メディア事業部

洋ゲーは続きます。
先ずは「スーパーウイングコマンダー」。制作は数々の怪作を手掛けて来たエレクトロニック・アーツ・ビクター。EAと言えば、やはり帝王「ソダン」。メガドライブのソフトレビュー誌上で、ぶっち切りの最下位を長年記録した「ソード・オブ・ソダン」が思い出されます。

少々話がそれてしまいましたが、時は、27世紀。これまた随分先の話ですが、え~っと何々「猫型宇宙人」が侵略して来ていたんですね。「猫型ロボット」は聞いた事がありますが、「猫型宇宙人」は中々斬新です。アイパッチを付けた髭の男がマーベリック士官でしょうか。中々怖そうな親父ではあります。

米国で「ベストアクションゲーム・オブ・ザ・イヤー」を受賞した位ですから、きっと面白いゲームなのでしょう。そう思いたいところです。

続いては「ファラオの封印」です。こちらはアスク講談社とシステムサコムの作品になります。システムサコムといえば、1983年から主にホビー向けパソコンや家庭用ゲーム機向けにゲーム開発を行って来た老舗の会社です。当ブログでもパソコン用ソフトをご紹介させて頂いています。

 

arimushi.hatenablog.com

 

さて話を戻しまして、この作品は古代エジプトを舞台とした3Dダンジョンっぽいゲームと言ったところでしょうか。左下には「突然飛び出す槍」なんかが紹介されていますが、ひょっとしたら理不尽な敵の攻撃に対してひたすら覚えて対応していかなければならない、いわゆる「覚えゲー」ではないかと、一抹の不安を抱いたりもしています。

 

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おまけで「ソード・オブ・ソダン」をば。

8分59秒でクリアなんて信じられません。凄すぎます。

因みにこのゲームにBGMなんてものはありません。しかしながら1面では時折、鳥のさえずりを楽しむ事が出来、シュールな世界観が味わえます。

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MICROCOSM(マイクロコズム)

出典:松下電器産業株式会社インタラクティブ メディア事業部

さて、漸く遊んだ事のあるゲーム「マイクロコズム」のご紹介です。まあ遊んだのは、実は「メガCD」版だったりする訳ですが。

それにしてもさすが次世代機。画像の美しさは「メガCD」版のそれとは比べモノにならないみたいですね。説明文にもある様に、映画「ミクロの決死圏」を彷彿とさせるゲーム設定ではあります。

ところで、体内を探検する話と言えば、個人的に「ドラえもん」が思い出されます。タイトルは「たとえ胃の中、水の中」。初期の頃の作品だったと思うのですが、しずかちゃんがママの指輪を誤って飲み込んでしまい、ドラえもんのび太が小さくなって、しずかちゃんの体内に探しに行くというお話。

ミッションは無事成功するものの、のび太の悪ふざけもあって、あろうことか、しずかちゃんを題材とした所謂下ネタ的な展開もあり、短編ながらも中々印象深い作品に仕上がっています。そう言えば、子ども頃この話を読んで、何だかドキドキした記憶が。

話が大幅にそれてしまいましたが、本作品も違う意味できっとドキドキが味わえるのではないかと思われます。

 

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メガCD

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遥かなるオーガスタ3/ペブルビーチの波濤

出典:松下電器産業株式会社インタラクティブ メディア事業部

さて、次なるソフトはグッと大人っぽくなって、「遥かなるオーガスタ3」と「ペブルビーチの波濤」(何とも格好良いゲームタイトルだなあ)です。

手掛けたのはパソコンゲームの老舗、今はなき「T&E SOFT」です。その昔、パソコン雑誌に「3Dゴルフシミュレーション」のゲーム画面が良く掲載されていたせいか(結構売れたらしい)個人的に「T&E SOFT」といえば「ゴルフゲーム」の制作会社というイメージが強かったりします。

「遥かなるオーガスタ」は元々16ビットパソコン様に発売されたもので、それが3DO版になってパワーアップして帰って来たという感じでしょうか。

しかしながら、下に掲載されている「ペブルビーチの波濤」もそうなのですが、この頃はポリゴンによるテクスチャマッピングなんて、まだまだの時代。それ故に、思いっ切り実写の人物が合成されています。次世代機らしく描写能力は確かに凄いのでしょうが、これだと何だか取って付けた感が否めないというか、シラケてしまうんですよねえ。

そんな不満を呈しつつも、果たして。当時のお父様たちは楽しむ事が出来たのでしょうか。

 

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NIGHT TRAP(ナイトトラップ)

出典:松下電器産業株式会社インタラクティブ メディア事業部

続いてのソフトは「NIGHT TRAP」です。このソフトも実際にプレイしましたねえ。ええ、ええ、勿論メガCD版ですが。

当時は「CD版=容量が多い=きっと何か凄いゲームが遊べるのでは」的な図式が自分の中で出来上がっており、こヤツも凄いに違いないと期待したものです。(危険な洋ゲーですが)

しかしながら、CDの大容量を活かしたお決まりの粗い画質での実写動画に感動していたのも、この頃位までだったでしょうか。段々と目が肥えて来て、最初の興奮も何処へやら。詰まる所、冒頭の動画なんてものは当時はゲームのシナリオ自体に実はそこまで関係が無いものも多く、言うなれば「おまけ」的な存在。故に、少々食傷気味だったのかもしれません。まあゲーム自体に花を添えてくれていたのは間違いありませんが。

肝心のゲーム内容といえば、トラップを使用して敵を撃退していくのですが、かなりシビアな場面の連続で、到底クリアには辿り着けないであろう状態。購入早々、売り払った根性無しのワタクシでありました。

 

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THEATRE WARS 娯楽の殿堂/時を超えた手紙/麻雀悟空 天竺

出典:松下電器産業株式会社インタラクティブ メディア事業部

さてさて次は、じっくりと腰を据えて楽しめるであろう、3作品のご紹介です。

先ずは、オーナーとしてオンボロ劇場の再建を目指す「娯楽の殿堂」です。

個性豊かなキャラクターたちを上手く演出し、客を動員。収益を上げる事によって更なる芸人を呼び、1億円もの借金を返済して行くという一風変わったシミュレーションゲームです。

後にも先にも、こんな設定のゲームって無かったのではないでしょうか。ゲームバランスも中々良い感じみたいです。

続いてはイラストのタッチが中々渋い「時を超えた手紙」です。開発はあの「シンキングラビット」。この社名は懐かしいですね。パソコンゲームの黎明期に数々のアドベンチャーゲームを世に送り出しました。

しかしながら、やはり「シンキングラビット」と言えば「倉庫番」ではないでしょうか。本当に歯応えのあるパズルゲームでした。

さて、この「時を超えた手紙」は推理アドベンチャーゲームで、パソコンゲームからの移植となります。元々は「カサブランカに愛を ~殺人者は時空を超えて~」というタイトルでしたが、著作権の問題で現タイトルに変更されました。

主人公ジュリー・ランドルフが友人メイ・エルガーの日記を元にその行方を探すというものです。

私は実際にプレイした事はないのですが、レビューを見てみると「傑作」という声も多く、少々気になるところです。

最後にご紹介するのは、正に「時を超えた」ジャンルで、はるか昔から現在でも親しまれているテーブルゲーム、麻雀です。その名も「麻雀悟空 天竺」。

人間らしい思考ルーチンがもたせてあるらしいので「イカサマ」的な麻雀では無い様ですね。

因みに「イカサマ」麻雀と言えば、個人的にはメガドライブの「麻雀COP 竜」が思い出されます。これは、良くも悪くも結構酷かったかもしれません。そういえば、麻雀牌から手足が生えて行進して行くシュールなエンディングがあった様な気がしますが、果たして。

 

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おまけ

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POWERS KINGDOM(パワーズキングダム)

出典:松下電器産業株式会社インタラクティブ メディア事業部

次にご紹介するのは「パワーズキングダム」です。

開発元は、これまた懐かしの「マイクロキャビン」です。「マイクロキャビン」と言えば、やはり個人的には「ミステリーハウス」が思い出されます。

調べてみると「ミステリーハウス」が最初に発売されたのは1982年で、対応機種は何とMZ-2000版でした。今では考えられない位の簡素な線描きによるモノクロ画面(MZ-2000はグリーンディスプレイでしたね)構成なのですが、かえってそれが建物が持つ不気味さを醸し出しているというか、何というか。不思議な魅力に溢れた作品でした。

 

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そんな魅力溢れるソフトを開発していた「マイクロキャビン」ですが、同社は今でも健在であり、現在ではアミューズメント用ソフトウェアの企画・開発を行っています。因みにロゴも昔のママでした。

 

www.microcabin.co.jp

 

さて、例の如く話が逸れまくっていますが、本作品は当時の3DOのソフトとしては珍しく、本格的なゲーム性が求められた3Dシミュレーション・ロールプレイングゲームとの事。剣と魔法の世界を舞台に多彩なキャラクターたちを育て上げ、物語を進めていきます。

3DOでしか遊べない、唯一無二の貴重な作品となっています。

 

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黒き死の仮面/ドラゴンズレア/ステラ7 ドラクソンの逆襲

出典:松下電器産業株式会社インタラクティブ メディア事業部

またまた、やって参りました。マイナータイトルの数々。唯一分かるのは「ドラゴンズレア」位でしょうか。

「アニメ・アドベンチャー」と記載されている様に、ゲーム画面は全てアニメーションで展開され、時折画面上に出てくる指示にしたがって先に進んで行くという、専ら反射神経が試されるゲームだったと思います。

似たところで、個人的にはこれまたメガCD版の「サンダーストームFX」で遊んだ記憶があります。当時としては、メガドライブでアニメーションが動くという事実に驚かされました。そういえば「タイムギャル」なんてのもありましたね。

 

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誌面に戻りまして、先ずは「黒き死の仮面」。嫌いではありませんよ、こんな雰囲気

しかしこの説明だけでは正直なところ、どんなゲームかサッパリですね。

次は「ステラ7 ドラクソンの逆襲」です。

う~ん。これも「3Dシューティング」というだけで、特筆すべき事はなさそうです。確かに、静止画のCGだけを見ると中々凄そうではありますが。

何だろう…。何だか既に3DOに少しばかり暗雲が立ち込めて来ている様な気がするのは気のせいでしょうか。

 

 

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バーニング・ソルジャー

出典:松下電器産業株式会社インタラクティブ メディア事業部

続きまして、「CGシューティング」というジャンル分けが中々時代的な「バーニング・ソルジャー」です。

パッと見、当時としては中々の美麗グラフィクです。しかしながら「シューティング」と銘打ってはいるものの、蓋を開けてみればゲーム自体はムービ展開するLDゲーム(これまた懐かしい)に近く、所謂、覚えゲー的な要素が含まれているとの事。

折角の美麗グラフィックなのに…大丈夫? 3DO…。

 

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Fire Ball !!(ファイアボール)/THE LIFE STAGE(ライフ ステージ)/武 TAKERU

出典:松下電器産業株式会社インタラクティブ メディア事業部

先ずは「スーパーリアリスティック」な3Dピンボール、その名も「ファイアボール」のご紹介です。

そう言えば、ピンボールのゲームってありそうで無いですよね。古くはボールのリアルな挙動に感動したPC6001mkIIの「ミッドナイトマジック」やPCエンジンの「エイリアンクラッシュ」また、メガドライブの「デビルクラッシュMD」位でしょうか。

しかも純粋なピンボールゲームと言えば「ミッドナイトマジック」位で後の2作品は、おどろおどろしい装飾が施されていました。

更に、純粋なピンボールゲームとなると、それは昔ゲームセンターにあったアナログのそれであり、実際のボールをこれまた実際のパドルを操作して遊んでいました。

今ではそんなマシンは、映画のワンシーンで見る位でしょうか。ひょっとしたらお洒落なバーなどに置かれているかもしれません。でも、メンテナンスが大変そうな気がします。

この「ファイアボール」は「台揺らし」も出来る本格的なピンボールゲームで、4つのステージを高得点でクリアすると最終面「宇宙=麒麟」に進めます。

次は「インテリア・シュミレータ」!?「ライフ ステージ」のご紹介です。

「インテリア・シュミレータとは何ぞや?」という感じなのですが、どうやら自分好みの生活空間を作り出し、その空間内を歩き回り楽しむという…いやはや何とも風変わりなジャンルではあります。

もしかしたら注文住宅を考えている人には、うってつけ?かもしれません。

最後にご紹介するのは「武 TAKERU」です。

おお、このタッチは寺沢武一氏ですね。寺沢武一氏といえばやはり漫画「コブラ」が思い出されます。現在、多方面で活躍中のメイプル超合金カズレーザー氏の服装は、漫画「コブラ」の影響を受けているとの事です。

さて、ゲームの方は「マンガCD」という特異なジャンル。ゲーム的な要素が果たして存在するのか少々謎ですが、新たなジャンルに挑戦した一作品と言えそうです。

 

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将棋スペシャル/NFL MADDEN FOOTBALL(NFL マッデンフットボール

出典:松下電器産業株式会社インタラクティブ メディア事業部

続きまして、先ずはテーブルゲームの王道、将棋ゲームのご紹介で、その名も「将棋スペシャル」です。(タイトルはもう少し何とかならなかったのでしょうか)相手は実力バリバリの「電脳(コンピュータ)棋士」。さて、あなたの実力は如何に。

次にご紹介するのは「NFL マッデンフットボール」です。恰幅の良い男性が「ジョン・マッデン」との事ですが、一体誰?

調べてみると、アメリカ合衆国出身のアメリカンフットボールの元指導者、解説者で、2006年にプロフットボールの殿堂入りを果たした人物でした。残念ながら2021年に85歳で亡くなられています。

恐らく、このジョン・マッデン氏がゲーム中に解説をするのではないかと睨んでいるのですが果たして。

正直な所、将棋もフットボールもそのルールが全く分からないので、何ともぼんやりとした説明になってしまいました。(まあ、他のも似たような感じですが…)

 

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トータル エクリプス/バーチャルホラー 呪われた館/クラッシュ・アン・バーン

出典:松下電器産業株式会社インタラクティブ メディア事業部

マイナータイトルは続きます。

先ずは海外発の3Dシューティングゲーム「トータル エクリプス」です。

意外にも?3DOにはシューティングゲームが多いらしく、本作品も初期に発売された一つとなります。

テクスチャマッピングが施されたゲームフィールドを進む自機は、見事な浮遊感を表現しており、次世代機のパワーを見せつけたといっても過言ではないのかもしれません。難易度的には、少々高めだったようです。

続きまして「バーチャルホラー 呪われた館」です。

良いですねえ。この雰囲気。大好きです。

「館モノ」と言えば、個人的にはメガCD版の「夢見館の物語」が思い出されます。その後発売されたセガサターン版の続編「真説・夢見館 扉の奥に誰かが…」もプレイしましたが、個人的には「夢見館の物語」の方が良い雰囲気を醸し出していたと思います。グラフィックはサターンのそれと比べるまでも無いのですが、不思議なものです。

さて、この「バーチャルホラー 呪われた館」ですが、アドベンチャーゲームかと思いきや、どうやら操作するキャラクターの本人視点でゲーム内を移動して戦うFPSファーストパーソン・シューティングゲーム)みたいです。

洋ゲー特有のセンス溢れる作品となっている様で、3D酔いが凄いみたいです。プレイの際は要注意ですね。

FPSと言えば、個人的にはドリームキャスト版の「ザ・ハウス・オブ・ザ・デッド 2」をプレイした思い出があります。

最後にご紹介するのは、「クラッシュ・アン・バーン」です。

核戦争後の荒廃した地球を舞台に、繰り広げられるカーレースゲームです。それにしても、荒廃した地球でレースが出来る程、潤沢なエネルギーが存在しているのか、そんな事をしている場合なのか、甚だ疑問ですが、まあそれは置いておきましょう。

ゲームは至ってシンプル。マシンガンや地雷、レーザーなど物騒な装備をした武装マシンを駆ってライバルたちを倒していき、1位を目指というもの。今では当たり前かもしれませんが、ゲーム中は視点を「車中」や「斜め後方」など自由に変える事が可能な親切設計でした。

小気味よいBGMと共に、当時としては技術水準が高いレースゲームを楽しむ事が出来ます。

 

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鉄人

出典:松下電器産業株式会社インタラクティブ メディア事業部

唯一と言うと失礼ですが、この「鉄人」だけは一寸やってみたいですねえ。

それは個人的に好きな俳優、嶋田久作氏が起用されている事が要因かもしれません。

嶋田久作氏と言えば「帝都物語」「帝都大戦」両作品に登場する加藤保憲役が、見事にドハマリしていましたっけ。

さて作品の方に目をやると、誌面から漂う独特の雰囲気。そして実写とCGにより独特のシュールリアリスティックなビジュアルを実現しているとの事。

ゲームの目的は、機械の身体にされてしまった鉄人(主人公)を操作し、襲いかかるモビルを倒しつつ、ダンジョンを抜け、塔上で待つ科学者を目指すというもの。

ゲーム内容は基本的にFPSですが、嶋田久作氏扮する科学者の存在感、プレイ中に鳴り響く効果音、そして最小限のBGM等など随所に効果的な演出が施されており、否が応にもゲームを盛り上げてくれます。

それにしても今回、嶋田久作氏は「マッドサイエンティスト」役として出演されているみたいですが、ホント~にこういった雰囲気の役柄は似合いますねえ。

 

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おまけの「帝都物語」と「帝都大戦」

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京都鞍馬山荘殺人事件/チキチキマシン猛レースウルトラマンパワード

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先ずは、一度は聞いたことがあるであろう小説家、山村美紗氏の「山村美紗サスペンス 京都鞍馬山荘殺人事件」です。

実写アドベンチャーと銘打つだけあって、プレイ中は惜しみなく動画が流れます。出演には小川範子氏や西岡徳馬氏の姿もあり、中々の顔触れです。

ゲームは基本的に一問一答を通して推理を進めて行かなければならず、地道な作業が必要ではないかと思われます。

本ゲームのコンセプトは、3DOが持つマルチメディアプレーヤーという性格に見事に合致し、結果、ロングセラーへと繋がりました。

それにしても、定価12,800円は少々お高いですね。昔の光栄のスーパーファミコンのソフトを彷彿とさせます。


続きまして、3DO発売直後の代名詞的ソフト、正にローンチタイトル「チキチキマシン猛レース」のご紹介です。

確か、TVCMでもかなり紹介されていたので「3DOチキチキマシン猛レース」のイメージが強い方もいらっしゃるのではないでしょうか。

しかしながら基本的にキャラもののゲームは、総じてそのキャラクターの人気にあやかっている場合が往々にしてあり、肝心のゲーム部分がお粗末というのが大半。この「チキチキマシン猛レース」も購入して大変な目にあった人も少なからずいる様です。

肝心のゲーム内容と言えば、どうやら「インタラクティブ・ムービー」の模様。コレは危険が危ないですね。(ご丁寧に、パッケージには本作がレースゲームではない旨が記載されていました)
因みに手掛けたのは、あのハイパーメディアクリエイター(懐かしい)高城剛氏との事です。


最後にご紹介するのは、キャラものに乗っかった感満載の「ウルトラマンパワード」です。

それにしても「怪獣どもよ、かかってきなさい!」って思いっ切り丁寧語なのが笑っちゃいます。

ゲームのジャンルは「実写アクション」となっていますが、その他にも「ビジュアルモード」や「データベース」も用意されており、マルチに楽しめる内容となっています。

 

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Doctor Hauzer(ドクターハウザー)

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続きましては、屋敷内でこつ然と姿を消した考古学者ハウザー博士の行方を追う、新聞記者アダムス・アドラーの物語です。1994年にリバーヒルソフトよりホラーアドベンチャーゲームとして発売されました。

屋敷内には様々なトラップが仕掛けてあり、理不尽な死と常に隣合わせ。その探索は困難を極める模様です。

次世代機の性能をフルに活かし、ゲーム中の描写は全てリアルタイムポリゴンで描かれていますが、如何せん当時の3DOではパワー不足だったのか、粗いポリゴン、低い描画レートによるカクカクな操作感といった感じで、その代償は大きかったみたいです。

しかしながらゲーム性自体は中々評価が高く、隠れた名作と言えるのではないでしょうか。

 

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ジ・インクレディブル・マシ―ン(仮称)/パペットテイル/ノンタンといっしょ のはらであそぼ

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さて、次のソフトは3本ともガッツリ「教育用」ソフトとなっています。何をもって「教育用」と位置づけているのか甚だ疑問ではありますが。

先ずは、余りひねりのないタイトルが少々気になる「ジ・インクレディブル・マシ―ン(仮称)」のご紹介です。後日「パラランチョ」という正式名称で発売された様ですが、「パラランチョ」ってのも何ぞやって感じですね。

このゲーム、基本的にパズルゲームみたいなのですが、そのパズルのパーツが何とも風変わりで、ロープや鉄球といった道具ならまだしも、掃除機、扇風機といった家電製品、果ては猫やネズミといった動物までが使用されており、その発想はかなりブッ飛んでいます。

ゲーム性云々の前に、操作性がかなり悪い様で少々残念な仕上がりになっているとの事です。

二つ目は懐かしの3Dソフト「ストラタ」で制作した様なキャラクタが登場する「パペットテイル」です。

「パペット」と言えば、独特のシュールなコントが印象的だった「パペットマペット」。最近はお茶の間でその姿を見る機会も減った様な気がします。

さて「アニメ教育」と名付けられたこのソフト。どうやら、お子様の知的好奇心を育むインタラクティブムービー的な絵本の様です。恐らくゲーム的要素は無いに等しく、所謂デジタル絵本的な感じで勝手にストーリーが進んで行く類のものだったのではないかと思われます。

三つ目は、その独特な愛くるしい画風で今なおファンも多い、ノンタンを起用したアニメ教育ソフト「ノンタンといっしょ のはらであそぼ」です。

方向キーやボタンを操作してノンタンの仲間たちと共にインタラクティブの世界を体験出来るとの事です。

ところで、ゲームタイトル右上には懐かしの番組「ウゴウゴルーガ」の文字が確認出来ます。「ウゴウゴルーガ」といえば個人的に、コモドールより発売されたパーソナルコンピュータ「Amiga(アミーガ)」が思い出されます。懐かしい。

ノンタンの作者キヨノサチコ氏は、残念ながら2008年に亡くなられていますが、「ノンタン」シリーズは何と40巻、2800万部が発行されているベストセラー作品です。

 

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リアル爆発! おもしろソフト、フルラインアップ!

出典:松下電器産業株式会社インタラクティブ メディア事業部

長々とご紹介して来た3DOソフト。1994年7月当時のフルラインアップとなります。

こうして改めて見てみると、今では考えられない位のかなり濃い顔触れに、驚きを隠せません。

最終的に3DOソフトは1994年から1996年にかけて、全250タイトルが発売されました。

 

 

 

「REAL CLUB」メンバーの大募集だ!

出典:松下電器産業株式会社インタラクティブ メディア事業部

当時発足した「REAL CLUB」メンバー募集のページです。

入会費などは一切かからず、はがきを投函するだけで色々な特典が受けられたようなので、お得といえばお得ですね。それにしても「はがき」で入会するあたりが何とも時代です。

余談ですが、3DOからPanasonicが撤退する際に、当然の如くこの会も解散となったのですが、その際に何と会員全員にもれなく3DOのソフトが無料で送られたとの事。どんなソフトだったのか今となっては知る由もありませんが、何だか嬉しいような、哀しいような何とも言えない出来事ではあります。

 

 

 

 

REAL本体およびソフト、フォトCDについてのお問い合わせは、下記まで

出典:松下電器産業株式会社インタラクティブ メディア事業部

ゲーム機本体やソフトについてのお問い合わせ先が掲載されています。

本体はまだしも、各ソフトウェアメーカーの電話番号まで掲載されているのは中々です。実際に電話を掛けた際の対応は、どのようなものだったのでしょうか。何だか世間話にも花が咲いたりして、ユーザーとの良好な関係が築けていたのでは…なんて勝手な想像をしてしまいました。

 

 

 

 

君はもう、REALを体験したか!

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岩の上に静かに佇む3DOの勇姿。何ともカッコイイですね。

本体標準価格は54,800円。当時の消費税は…何と!まだ3%だったので、税込で56,444円。それでもやはり本体価格がかなり高額なのは否めません。

スペックもこの時代の家庭用ゲーム機としては恐らく凄かったのでしょうが、如何せん後発の敵が強大過ぎました。

 

 

 

REALのハイスペックが、ゲームをおもしろくする。

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これでもかと、REALのハイスペックが紹介されていますが、当時印象深かったのはやはり「1,670万色表示」でしょうか。

私が初めて触れたパソコン、懐かしの富士通FM-7では、その表示数は驚愕の8色でしたから隔世の感があります。

因みにこの1,670色表示は、以下の式で求められます。

8ビット(2の8乗)=256階調(色)
256階調(Red)✕256階調(Green)✕256階調(Blue)=1,677万7216色
1,677万7216色≠約1,670万色

正直、良く分かりませんが何か凄いなあと。

因みに3DOのそれは、あくまでも最大であって同時発色数は32,000色となります。まあ、それでも十分凄いですが。

 

 

 

REALなら、いろいろマルチに楽しめる。

出典:松下電器産業株式会社インタラクティブ メディア事業部

ここに来て更に「インタラクティブマルチプレーヤー」振りをアピールしていますが…。

先ず、テレビで楽しめる「音楽CD」。これは特に必要性を感じないかもです。音楽に合わせて動き出すグラフィックスも、そんなに種類はなさそうですし、すぐに飽きそうな気がしてなりません。確か「セガサターン」にもこのような機能があったと思うのですが、秒速で飽きた記憶があります。

また、カラオケや絵本が楽しめる「CD-G」は中々ですが、家で歌うよりはカラオケ店に行った方が断然楽しめると思います。

絵本は置き場所に困らなくて良いかもしれませんね。電子書籍の走りでしょうか。ただ、どの位のコンテンツがリリースされたのか少々気になるところです。

さらに「ビデオCD」は、デジタルなのにVHSより画質が悪く(何たる事実…)更には74分という再生時間等で世界的な普及には至りませんでした。(DVD発売までの繋ぎにはなった模様)

「フォトCD」も安価に写真をデジタル化出来るという事で、プロの写真家から一定の評価を得たものの、CD-ROMの普及率の低さ等の問題で、結局のところ世界的な普及には至りませんでした。

改めてこうして見てみると「マルチプレーヤー」振りを謳っている割には、何とも中途半端というか、残念というか…力不足な感じが否めません。

 

 

 

 

ゲームファンを震撼させる、迫力の「重低音体感システム」

出典:松下電器産業株式会社インタラクティブ メディア事業部

良いですね、この音響システム。クッションスピーカーの効果はさておき、部屋とお金に余裕があれば、揃えても良いシステムなのではないでしょうか。REAL以外のAV機器でも使えたみたいですし。

画面上の悪名高きゲーム?「チキチキマシン猛レース」の「ブラック魔王」もそう囁いているに違いありません。「シシシシ……」ほら、ケンケンの声も…。

如何でしたでしょうか。「Panasonic 3DO REAL」の世界。

次世代機として先陣を切ったにも関わらず、後発のセガサターンプレイステーションに、あっという間に水を開けられる事態へと陥ってしまいました。

発売当初は品切れにもなったという3DO REAL。敗因は色々とあるのでしょうが、高価な本体価格、支持するサードパーティーの少なさ、洋ゲーや版権キャラものが大半を占めていたソフト構成、そして圧倒的に少ないソフトウェアの数、競合機の普及などなど。慣れないゲーム市場における販売戦略のマズさも手伝って、1994年発売の本機は1996年には市場から姿を消すという短命に終わってしまいました。ゲーム機だけに特化せず「インタラクティブマルチプレーヤー」という立ち位置も、結果的には中途半端だったのかもしれません。

冒頭でも少々触れましたが、本体デザイン自体は結構好きだったので、もう少し頑張って欲しかったというのが正直な所です。まあ私はマークIII時代から根っからのセガ派でしたので、後発の「セガサターン」を購入しました。その後セガも「ドリームキャスト」を最後に、ゲーム機本体の販売から撤退してしまいますが、それは少し先のお話です。