蟻虫とカラットゾンビ

懐かしの所有物で振り返る断捨離前の悪あがき

月刊コロコロコミック 1981年3月号

とにかく分厚さが印象的

出典:小学館

現在の様にインターネットも普及しておらず、当時限られたお小遣いでやりくりする小学生の自分にとって、この「月刊コロコロコミック」は毎月必ず購入する漫画雑誌でした。

何しろ330円で(子どもにとってはそれでも高価ですが)、トータル600ページ超えの漫画の数々が読める訳ですから、コストパフォーマンスはすこぶる良かったと思います。

創刊は1977年5月。現在でも刊行されている長寿漫画雑誌です。紙面を小さくする事によって本体の厚さを確保し、手にとった時のサイズ感がコロコロしているため「コロコロコミック」と名付けられました。

さて表紙に目をやると、そうそうたる作品のラインナップが確認出来ます。言わずと知れたご存知「ドラえもん」をはじめ「怪物くん」「オバケのQ太郎」「ゲームセンターあらし」「とどろけ!一番」「あさりちゃん」「名たんていカゲマン」等など、今見ても本当に名作揃いで、改めて驚かされました。

 

豪華賞品が目白押し!

出典:小学館

表紙をめくってみると「春の特別サービス企画」と称して、何と合計10,000名に当たるプレゼントが用意されていました。

まあ「怪物くん回転メダル」と「コミック手帳」でかなり当選人数を稼いではいますが、コレはコレでちょっと欲しいですね。

賞品に目をやると、初期の「ゲーム&ウォッチ」が懐かし過ぎます。そして、この辺りから任天堂の快進撃が始まったと言っても過言ではないので、中々貴重なラインナップではないでしょうか。各ゲームタイトルもシンプルで格好良いですね。

その他には「怪物くんTシャツ」「ドラ・ドラミバッジ」「怪物くんバッジセット」などなど藤子不二雄ワールド全開です。そして何より凄いのは、各キャラクターの造形の高さ。今見ても全く色褪せていないのは本当に素晴らしいです。当時から既に、完成されたキャラクターデザインだった訳ですね。

 

貴重な集合写真

出典:小学館

来月号の企画と「コロコロでかつやくのみなさん」と紹介されているように、連載中の漫画家の集合写真が掲載されています。

それにしても、来月号は豪華プレゼントが目白押しですね。通し番号入りの「愛読者感謝状」に「あらしドファイトステッカー」「ドラえもんと怪物くんのサイン入り色紙ボード」といった感じで、何とも太っ腹な企画です。また両サイドには、これでもかと言わんばかりに藤子不二雄氏が生み出したキャラクターで固められおり、当時の藤子マンガの勢いを象徴したかのようなレイアウトになっています。

一方、集合写真の方ですが、これは中々貴重な一枚ではないでしょうか。中央辺りに藤子不二雄氏のお二方、向かってその右側には赤塚不二夫氏の姿が確認出来ます。流石に皆お若いですね。その他の方々は残念ながらちょっと分からないのですが、この集合写真に写っているということは、おいそれとはなることすら出来ない「漫画家」という職業において「コロコロコミック」という超一流の漫画雑誌で連載されていたという紛れもない事実であり、これは驚嘆に値するのではないかと思うのです。

 

豪華執筆陣の数々

出典:小学館

諸般の事情により、いきなり最終ページのご紹介となります。

当時は「ドラえもん」「怪物くん」「オバケのQ太郎」「パーマン」といった藤子不二雄氏の作品をはじめ、「ゲームセンターあらし」「釣りバカ大将」「とどろけ!一番」「あさりちゃん」「名たんていカゲマン」等など、個人的にも非常に懐かしい作品が連載されていました。

そんな中「あさりちゃん」は、確かかなりの長期連載だと記憶していたので、調べてみたところ、何と全100巻!足かけ36年もの長期に渡って連載されているではありませんか。この「全100巻」は、てんとう虫コミックスでは最長の発巻数との事。それにしても、月刊誌で100巻は凄すぎますね。

そんな「あさりちゃん」ですが、アニメ版も放映されており、軽快なOPとは打って変わって、何とも切なく哀しい雰囲気のEDが印象的でした。

 

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ハヤイ! ヤスイ! 某牛丼チェーン店を彷彿とさせるキャッチコピー

出典:小学館

さて、古い雑誌をながめる際に興味深いのが、所謂「表1~4」のカラーページの広告です。このページ程、当時の世相や時代背景を反映しているページはないのでは?と思います。

今回のソレは、どうやら切手販売のようです。この時代は、確かによく見かけた気がします。しかしながらよくよく読んでみると、ディズニーの切手が3種貰えるのは良いのですが、ハガキを投函すると無条件で「ステキな切手」がランダムで10セット届くとの事。その中から欲しいものだけを購入するという何とも変わった営業スタイル。更には、届いたら5日以内に代金と残りの切手(購入しない切手)を返さなければいけないという中々の慌ただしさ。更に更に、返す際には返信用の封筒に切手を貼って、送料として70円切手も同封しなければならないという……もう、文字を打っていて何が何だかわからなくなってしまいました。

以上を踏まえて一番賢い購入方法は……
ハガキを投函してディズニーの切手3種をゲット。
何も購入せずに送り返す(切手代70円✕2枚=140円)
ディズニーの切手を一枚約46.6円(140円÷3枚)で購入できました♪
という事になるのでしょうか。
それでも「何だかな~」という気持ちで一杯になります。

一番の正解は「購入しない」かもしれません。

 

よく読むと説明文が結構紛らわしい

出典:小学館

 

「これは、とくするハガキです」の一文が怪し過ぎ

出典:小学館

 

子どもの頃「いちご味」の歯磨き粉を食べたことある人、挙手願います♪

出典:小学館

さて、1981年3月号のコロコロコミック最後を飾るのは「Lパック」の広告です。さすがに表4だけあって、見事に当時の時代が反映されています。

それにしても、ありましたねえ「Lパック」。CMで「旅のおともにLパック」なんてコピーがあったと記憶しているのですが、果たして。今でもこのタイプの商品は発売されているみたいですから、中々息が長いです。

商品に目をやると左から「園児用」「低学年用」「高学年用」と、3つのタイプが用意されています。パッケージのイラストも段々と大人っぽくなっているところが興味深いですね。因みに真ん中のイラストは、懐かしの「ニルスのふしぎな旅」より主人公の「ニルス」です。妖精にいたずらをしたため小さくされ、雁の群れと共に冒険を繰り広げる物語でした。

右側の中央やや下にある「ライオン」の初代ロゴも時代を感じさせてくれます。社内公募で1980年に誕生したこのロゴには「暮らしをみつめる」というコピーが添えられていました。個人的に記憶に残っているのは「おはようからおやすみまで〜」でしょうか。「一日」の表現を「おはようからおやすみまで」という言葉で表現する辺り、素晴らしいですね。

という訳で、1981年3月号のコロコロコミックを足早に紹介させて頂きました。子どもの頃お小遣いを握りしめて通った個人経営の小さな本屋さん。町で唯一の本屋さんといっても過言ではないその店の軒先には、様々な書籍が所狭しと立て掛けられていました。帰宅して何度も何度も読み返した漫画本は、当時の貴重な情報収集元の一つだったと思います。今やネットで気軽に漫画が読める時代になってしまいましたが、当時の一つ一つに時間を要するアナログ的な経験を体験出来たことは、ある意味非常に恵まれていたのではないかと思うのです。