蟻虫とカラットゾンビ

懐かしの所有物で振り返る断捨離前の悪あがき

アゲイン

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主人公の元太郎

 

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後の「まことちゃん」の母体となる作品

 

初 版 1977.1.20
著 者 楳図かずお
巻 数 全6巻
発行所 秋田書店
定 価 270円
評 価 ★★★☆☆

 

あらすじ

職人として一家を支えていた仕事ひとすじの男、元太郎。しかし、時の経過とは非情なもので、老いてしまった元太郎は、いつしか家族からも煙たがられる存在となってしまっていた。ある日体調を崩した元太郎は、孫のまことに薬を買って来てもらった。ところがその薬は、奇跡的な調合で偶然完成していた「アゲイン」という若返りの薬だった…。

 

書評

劇画タッチのギャグ漫画というのは、当時珍しかったのではないでしょうか。しかし、本作品では生きている限り誰にでも必ず訪れる「老い」という残酷な仕打ちを、笑いの中に巧みに表現しているところが、単なるギャグ漫画とは一線を画しています。ところで、連載中に人気のあった孫のまこと。彼を主人公にしたのが後に連載される「まことちゃん」であり、いわば本作はその母体とも言える作品なのです。